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No.506

企画展示室4

博多遺跡群出土資料重要文化財指定記念 中世都市「博多」の逸品たち

平成29年12月19日(火)~平成30年4月8日(日)

博多遺跡群とは
桔梗散双雀鏡

桔梗散双雀鏡

 博多遺跡はJR博多駅から博多湾側の那珂川と御笠川に挟まれた南北1.6㎞、東西0.9㎞の範囲に広がる遺跡です。遺跡は大きく分けて東西方向に並ぶ三つの砂丘からなり、最も古く形成された東端の砂丘では約二千年前の弥生時代前期の土坑や中期の甕棺墓が出土しています。その後は各時代の墓や住居が連綿と築かれましたが、特筆するものとしては地下鉄祇園駅東側で古墳時代中期の全長56mを超える前方後円墳が確認された他、キャナルシティ近隣でも大型古墳が存在したと推定されています。八世紀頃になると地下鉄祇園駅の西側に一辺が100m程の官衙が築かれ、丸鞆など役人の身分を示す装飾品が出土していますが、官衙の性格など詳しいことは判っていません。

博多の発展

 11世紀中頃に鴻臚館が廃絶すると、宋の商人たちは地下鉄祇園駅の北西側に住み着いて中国大陸との貿易を始めました。これが中世の交易都市『博多』の始まりです。「博多」は宋や元、明など中国との交易のほか、朝鮮半島や琉球、ベトナム、タイなどの東南アジアとの交易の窓口となりました。「博多」に持ち込まれた文物のほとんどは京や奈良、鎌倉など消費地である他の中世都市に運ばれましたが、一部は「博多」内で消費され、また運搬中に破損したものなどが「博多」に残されて発掘調査によって出土しています。また文物は「博多」から日本国内の消費地への一方通行ではなく、当時日本各地で生産されていた焼物などの様々な消費財が広範囲に流通するようになり、「博多」でも都市住民の生活を支えるために瀬戸焼や備前など国内各地から多くの文物が運び込まれました。また「博多」では金属器やガラス・骨角製品・石製品など様々なものが作られた痕跡が出土して、多くの職人たちが住んでいたことが分かってきました。

重要文化財の指定

 博多遺跡は前述のように弥生時代前期以降連綿と人の生活が営まれてきました。近代以降においても九州の経済の中心として発展を続けましたが、その近代以降の開発によって古い遺構は破壊されたと考える人も多くいました。しかし、1977年の地下鉄空港線工事に先だって行われた試掘調査により博多遺跡全体が盛土による整地を繰り返し、場所によっては4m以上盛土されていることや、その盛土のおかげで弥生時代以来の遺構が良い状態で残っていることが判明したのです。それ以来2017年11月現在で民間だけでも200ヶ所を超える発掘調査が行われた結果、多くの遺構と大量の遺物が出土し、古代末から中世の博多の様子が次第に判ってきました。

 今回その発掘調査で出土した大量の出土遺物の中から11世紀中頃以降の国内外の出土品が「古代末から中世のわが国における貿易の広がりや、技術や製品の伝播と交流の実態を明らかにするとともに、港湾都市・商業都市に於ける生活実態を具体的に示す資料として貴重であり、きわめて重要な学術的価値を有している」と評価され、希少性、重要性、学術性に基づいて選んだ2138点が重要文化財に指定されました。今回はその中から東京国立博物館でお披露目展示された約百点を中心にいくつかのテーマに分けて展示します。

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9時30分〜17時30分
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休館日
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(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
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