
草花流水文様小袖 |
会期:平成13年11月27日(火)〜平成14年2月4日(日)
会場:部門別展示室2(黒田記念室)
最近、昔ながらのモノの良さというものが見直され、和服を、ちょっとしたおしゃれ着のように楽しむ若い人も増えてきました。さて、和服のことを「きもの」とも呼びますが、この、「きもの」の原形となるのは、近世の「小袖(こそで)」です。
「小袖」とは、もともと「大袖(おおそで)」と対をなす呼び名でした。平安時代以来の公家(くげ)の装束(しょうぞく)を見ても分かるように、日本の衣服の表着(おもてぎ)は、もともと袖口が大きく開き、袂(たもと)が袋になっていませんでした。これに対し、その下に着るインナーウェアとしての衣服は、袖口が小さかったことから「小袖」と呼ばれるようになったのです。近世以降、袖口が大きく開いた衣服が、公家の男性など、ごく限られた場やシーンでしか用いられなくなる一方で、袖口が小さく、袂が袋になった小袖が表着として一般的になります。そして、衣料全般をいう「きるもの」=小袖形の衣服という概念ができあがりました。この概念が浸透したことが、今日まで小袖形の衣服を「きもの」と呼ぶ下地になっているのです。
染めは鮮(あざ)やか、刺繍(ししゅう)は絢爛(けんらん)、織りは豪華な、近世の「きもの」の世界をお楽しみ下さい。(杉山未菜子) |