鉄鉢とは托鉢でお布施を受ける鉄の鉢です。いにしえより唐招提寺の僧侶は厳しい修行の中、托鉢で貰い受けた食糧を皆で持ち寄り大切に料理し、平等に分け鉄鉢を器に食事をしていました。その事に由来し現在は鉄鉢を模した陶器で食事をされています。唐招提寺の鉄鉢料理はその器に季節の物、旬の物を盛り込んだ質素ながら彩り豊かな精進料理です。
律宗の戒律に基づく食事作法では二時食と言って朝と昼の二食が正式な食事で、夜は非食(食にあらず)と呼ばれ非公式な食事です。仏道修行に不要な心が起こる要因を絶つため精力が付くものを避け、葱や韮なども食べないとお聞きしました。不殺生という決まりから肉や魚は食さない、必要以上に食べ過ぎない、飲み過ぎない、良薬として食事をいただくなど、心と体の健康維持の為に普段の食生活にこのような食事作法を取り入れたいものです。 |
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