福岡市は、遺跡の発掘が盛んなところです。それは、都市開発の進展を背景とします。遺跡の発掘は、1970年代以降、急速に増加し、福岡市でもこれまで2,500件を超える調査が行われました。それぞれの調査の成果は、先人たちが、どのような社会を営んでいたのかという謎を解くパズルの小さなピースのようなものです。
この講演会では、福岡市の西部地域(西区、早良区、城南区)の遺跡と出土品の特色を紹介します。これらの地域は、一昔前までのどかな田園風景の広がっていたエリアが多くを占めます。そこに、都市化の波が押し寄せたとき、数々の遺跡が掘り起こされ、遥か過去の激動の歴史が呼び覚まされました。
福岡市の西部地域の発掘成果の検討を通じて、日本列島における国家の形成と「対外交流」の一局面が明らかになることでしょう。