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No.011

考古・民俗展示室

前方後円墳の時代 福岡にねむる豪族たち

平成3年4月2日(火)~6月2日(日)

老司古墳遺物出土状況
老司古墳遺物出土状況

4世紀

 前方部と後円部の長さがほぼ同じ前方後円墳が各地で造られた。墳丘は3段に造り、茸石や埴輪で飾った。頂上には出入口のない石室(竪穴式石室)を埋め、中に長い木棺を埋置した。鏡を中心に多くの副葬品を供えた。

 西暦4OO年前後、竪穴式石室の壁の一辺を開いて出入口を設けた古墳が福岡に出現した。老司古墳である。古墳を造った後も次々と死者を埋葬(追葬(ついそう))できた。

若八幡宮古墳(前方後円墳)西区徳永(九州歴史資料館所蔵)
京ノ隈古墳(前方後方墳)城南区田島
拝塚古墳(前方後円墳)早良区重留
老司古墳(前方後円墳)南区老司(九州大学考古学研究室所蔵)

丸隈山古墳出土遺物 丸隈山古墳出土遺物
丸隈山古墳出土遺物

5世紀

 前方後円墳が大型化する。大阪府大仙古墳(伝仁徳天皇陵)は全長485mある。福岡市最大の古墳である丸隈山古墳(全長85m)もこの時期である。

 5世紀初め、墓室(玄室(げんしつ))の前に通路(羨道(せんどう))を設けた横穴式石室が西区鋤崎古墳で初めて造られた。石室には3人分の埋葬用ベッドがあり、当初から追葬が予定されていた。副葬品は鏡が減り鉄製品が増え、馬具・金製品が現れた。

鋤崎古墳(前方後円墳)西区今宿
丸隈山古墳(前方後円墳)西区周船寺
梅林古墳(前方後円墳)城南区梅林
樋渡古墳(前方後円墳)西区吉武
博多1号古墳(前方後円墳)博多区祗園
井尻B1号古墳(?)南区井尻

神松寺古墳出土遺物
神松寺古墳出土遺物

6世紀

 前方部の幅が大きくなり後円部の直径を上回る。墳丘は2段に造られた。副葬品には馬具が多くなった。

 この時期、小型の円墳だけで数十基以上の群を成す古墳群が爆発的に増える。福岡市内だけで1,000基を越す。古墳への埋葬が広い範囲の階層に広まったのである。

 6世紀末、前方後円墳はほとんどの地域で造られなくなった。

今宿大塚古墳(前方後円墳)西区今宿
神松寺御陵古墳(前方後円墳)城南区片江
東光寺剣塚古墳(前方後円墳)博多区竹下(一部アサヒビール所蔵)
剣塚北古墳(前方後円墳)博多区竹下
柏原A2号墳(前方後円墳)南区柏原
鳥越古墳群B群(円墳)城南区片江
吉武K7号古墳(円墳)西区吉武

夫婦塚1号古墳出土五鈴鏡
夫婦塚1号古墳出土五鈴鏡

7世紀(飛鳥・白鳳時代の古墳)

 前方後円墳は造られず、豪族の墓には円墳や方墳が採用された。埋葬施設には10mを越す横穴式石室や四角形にきれいに整えた大きな石で造った石室や石棺を用いた。

 福岡周辺にはこの時期の豪族の古墳は少なく、7世紀初めの西区夫婦塚古墳1・2号墳から鏡や馬具なとが出土している。その後の豪族の墓は不明だが、小円墳群は8世紀初めまで造られ続けた。

夫婦塚古墳(円墳)西区乙石

所蔵名のないものは福岡市博物館・福岡市教育委員会所蔵

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