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No.044

考古・民俗展示室

贈答のかたち

平成5年3月23日(火)~6月27日(日)

熨斗
熨斗

はじめに

 人に物を贈ったり、またその返礼に物を贈られることを「贈答(ぞうとう)」といい、今日でも、中元(ちゅうげん)や歳暮(せいぼ)など、盛んに行われています。贈答は、定期的なものと、不定期に行われるものとに大きく分けることができます。年末・正月・盆・彼岸(ひがん)・三月節供(せっく)・五月節供などに行われるものが前者で、後者には、婚礼・出産・葬式などの人生儀礼や病気・火事・水害・家普請(いえぶしん)・旅行などの、近親者の合力の気持ちを表す贈与と、その返礼とがあります。

 もともと贈答は、食物を贈りあうことからはじまったとされています。時代の移り変わりとともに、贈答の中心は食物から品物へと変わってきていますが、贈答品に付ける熨斗(のし)などには、日本の民俗文化の特色が保たれています。現代では、クリスマスやバレンタインデーなど洋風の習俗も行われるようにもなり、伝統的な日本の贈答の意味が忘れられようとしています。ここでは、贈答の本来の姿を、もう一度振り返ってみたいと思います。


オクンチの盛物(能古島)
オクンチの盛物(能古島)

1、共食から贈答ヘ

 日本人は特定の食物を皆で一緒に食べる「共食(きょうしょく)」によって、つきあいを確認し、共向性を維持してきた。日常の酒宴や花見なども同じ意味を持っている。時代とともに、交際範囲も広がり、行動を共にできない人々も含まれるようになった。そこで、宴席に欠席した人に対して、その席の酒食類を贈り届けることが行われ始めたとされる。これが贈答のはじまりである。


八朔の笹飾り(博多風俗画)
八朔の笹飾り(博多風俗画)

2、節供(せっく)の贈答

 節供の贈答の特色は、それぞれの節供で決った食物を贈りあうことにある。正月には餅・米・鰤(ぶり)、盆には素麺(そうめん)・麦粉(むぎこ)・塩・さば、彼岸(ひがん)には牡丹餅(ぼたもち)、三月節供には草餅、五月節供には粽(ちまき)などである。こうした食品は、本来、神仏への供物であったものが、それぞれの節供の重要な食物となったものである。初めての節供では、近親者から子供へ、食物と併せて、正月には破魔弓(はまゆみ)、三月にはオキアゲ、五月には武者飾りなどが贈られた。この習俗は、現在でも盛んである。

休館日

開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(入館は午後5時まで)
7月22日から8月27日のうちの金・土・日ならびに8月14日、15日は午後8時まで開館(入場は午後7時30分まで)
休館日
毎週月曜日
※月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館
8月14日、15日は開館、8月16日は休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで
pressrelease

Facata(博物館だより)

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