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No.160

考古・民俗展示室

福岡のあけぼの

平成12年3月14日(火)~6月4日(日)

南区柏原遺跡(かしわらいせき)の条痕文土器(じょうこんもんどき)
南区柏原遺跡(かしわらいせき)の条痕文土器(じょうこんもんどき)

 島原(しまばら)半島普賢岳(ふげんだけ)の噴火(ふんか)は記憶に新しいところですが、日本では火山(かざん)噴火により広い地域が壊滅的(かいめつてき)な打撃を受けたことが過去にしばしばありました。阿蘇山(あそさん)のカルデラは約9万~8万5千、鹿児島(かごしま)県錦江湾(きんこうわん)北部の姶良(あいら)カルデラは約2万4千~2万2千、屋久島(やくしま)北側の鬼界(きかい)カルデラは約6千4百年前にそれぞれ火山爆発(ばくはつ)によって形成されたもので、福岡にも多大な影響を及ぼしたとみられます。また、人類は過去に4回の氷河期(ひょうがき)を経験しましたが、約2万年前の最後の氷期(ひょうき)には、氷河の発達により現在より100メートル以上も海面が低下し、対馬(つしま)海峡は細い水路となったと言われています。このような地球規模の気候変動やそれに伴う動・植物相の激変は、人々の生活に深刻な影響を与えました。しかし、環境の変化にほんろうされながらも、人々は新たな文化を創造してそれを乗り越えていったのです。 考古学では土器(どき)や弓矢(ゆみや)の発明を境にして、旧石器時代(きゅうせっきじだい)と縄文(じょうもん)時代とに時代を区分しています。この展示では、市内で発掘された旧石器時代から縄文時代前半期までの資料により、福岡の黎明(れいめい)期を生きた人々の足跡をたどります。

最古(さいこ)の石器(せっき)

博多(はかた)区麦野(むぎの)B遺跡(いせき)のナイフ形石器(がたせっき)
博多(はかた)区麦野(むぎの)B遺跡(いせき)のナイフ形石器(がたせっき)

 人類が最初に手にした道具はいったい何でしょう。木の棒(ぼう)でしょうか。少なくとも石器はその初期の段階に採用され、以後我々の生活に密着してきました。最初の石器は礫(れき)を打ち欠いた簡単なものでしたが、その後「石刃技法(せきじんぎほう)」と呼ばれる、礫から薄い剥片(はくへん)を連続的に剥ぎ取る技術が生まれ、その剥片の鋭い割れ口を刃(は)として用いる石器が作られるようになりました。「ナイフ形石器(がたせっき)」と呼ばれる石器はその代表格で、狩猟(しゅりょう)や調理(ちょうり)など多目的に使用されたと見られます。
 日本でもっとも古い原人(げんじん)段階の石器は、80万年前とも言われる宮城(みやぎ)県の上高森遺跡(かみたかもりいせき)を筆頭に、東北地方でいくつか発見されています。一方福岡では、約8万5千~9万年前に阿蘇山から噴出(ふんしゅつ)した火砕流(かさいりゅう)により、平野部を中心に3メートル以上の厚い粘土層(ねんどそう)が形成されており、これより古い人類の痕跡(こんせき)が発見される可能性は低いと見られます。市内でもっとも古い石器としては、早良(さわら)区有田(ありた)遺跡、博多(はかた)区諸岡(もろおか)遺跡から出土したものが候補にあげられ、約2万5千~3万年前頃のものともみられますが、その位置づけについてはまだ確定していないのが実情です。

旧石器時代(きゅうせっきじだい)の福岡(ふくおか) 

早良(さわら)区有田遺跡(ありたいせき)の剥片尖塔頭器(はくへんせんとうき)
早良(さわら)区有田遺跡
(ありたいせき)の剥片尖塔頭器
(はくへんせんとうき)

 約2万2千~2万4千年前に姶良(あいら)カルデラで起きた火山爆発は南九州を壊滅(かいめつ)させ、火山灰の一部は北海道にまで及んだようです。また、約2万年前には氷河期が最盛期を迎え、寒さのため森林の樹木やそこに暮らす動物が様変(さまが)わりしました。このような環境の激変期に、「剥片尖頭器(はくへんせんとうき)」と呼ばれる槍先形(やりさきがた)の石器が九州一円に出現します。これによく似た石器は韓国(かんこく)や沿海州(えんかいしゅう)にも見られ、狭(せま)くなった対馬海峡(つしまかいきょう)を南へ越えてきた人々があったようです。
 旧石器時代の終わり頃、細石器(さいせっき)が出現します。細石器は小さな石核(せっかく)から細長い石刃(せきじん)を連続してはぎ取り、それを柄(え)に装着(そうちゃく)して使用する組合(くみあわ)せ道具です。九州の細石器は中国(ちゅうごく)大陸東部との技術的な類似性が説かれています。

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開館時間
9時30分〜17時30分
(入館は17時まで)
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休館日
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(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
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