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No.379

考古・民俗展示室

ふくおか発掘図鑑(はっくつずかん)

平成23年2月1日(火)~4月3日(日)

早良区早良岸田遺跡出土 銅矛・銅剣・把頭飾・鉄戈
早良区早良 岸田遺跡出土
銅矛・銅剣・把頭飾・鉄戈
南区中村町遺跡出土 カゴ出土時
南区 中村町遺跡出土 カゴ出土時

 福岡は遺跡の宝庫といわれ、昔からたくさんの発掘が行われてきました。その成果は新聞やテレビなどで報道されますが、出土した土器や金属器などの考古資料は最終的にどこへ行くのかご存じでしょうか?
 現在、福岡市内で発掘された出土品や調査記録は博多区井相田にある福岡市埋蔵文化財センターに収められています。しかし、埋蔵文化財センターが開館したのは昭和57年2月のことであり、福岡で発掘された出土品や調査の記録が地元で保存・活用されるような体制ができたのは、意外に最近のことなのです。
 発掘出土品に関する法律が出来たのは明治9年の「遺失物取扱規則」に遡ります。これにより全国の発掘資料は内容を吟味の上、東京帝室博物館が収集することとなりました。次いで明治32年の法律改正により、古墳出土品は宮内省、石器時代の遺物は東京帝国大学、その他の考古資料は東京帝室博物館に収める規定となりました。
 明治34年以降、福岡市内古墳出土品の多くが東京帝室博物館に購入あるいは寄贈され、今も東京国立博物館に所蔵されています。この体制は明治から昭和初めまで継続されていきます。
 戦後1951年に「文化財保護法」が公布されます。この法律によって国だけでなく地方公共団体によっても遺跡の発掘調査や保存・活用が行われるようになりました。昭和の経済成長ともに発掘件数は増加し、福岡市でも2008年3月までに2112件の発掘調査が行われ、1436遺跡の出土品と調査記録が埋蔵文化財センターに収蔵されています。今回の展示では最近の発掘成果を中心に、新聞・テレビを賑わせたものや、あるいは地味ながらきらっと光るところのある遺跡と出土品をご紹介します。
 猛暑の7月、南区野間の中村町遺跡では、地表下90㎝で古代の遺跡を調査していました。確認のためにさらに下の層へ掘り進めると、粗砂で埋まった川の層が広がっています。通常、調査はこれで終わりですが、粗砂からは縄文時代前期(約6000年前)の土器や石器・カゴなどが出土しました。市内では種類・量とも最も豊富です。縄文時代の遺跡があまり知られていなかった場所で思いがけない地層からの出土でした。またカゴのような有機物は残りにくく、前期では全国でも10例弱ほどです。
 東区の香椎(かしい)A遺跡では縄文時代晩期の遺物が谷の堆積層から出土しました。土器の残りが良いことに加えて、石器、さらに管玉(くだたま)が見つかった事は注目されます。周辺には集落があったと考えられます。また窪(くぼ)地からは、弥生時代の中細銅矛(なかぼそどうほこ)が出土しました。普通は甕棺などの墓に副葬される古いタイプです。なぜこんなところに埋まっていたのでしょうか。

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休館日

開館時間
9時30分〜17時30分
(入館は17時まで)
※2024年7月26日~8月25日の金・土・日・祝日と8月12日~15日は20時まで開館(入館は19時30分まで)
休館日
毎週月曜日
(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
※2024年8月12日~15日は開館し、8月16日に休館
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