展示・企画展示室2

No.445

企画展示室2(黒田記念室)

福岡市博物館寄託 神社とお寺の宝物

平成27年2月17日(火)~平成27年4月19日(日)

  福岡市博物館では昭和58年の建設準備室発足以来、郷土の歴史と人々のくらしに関わる多くの資料を収集してきました。この中には市内や周辺の神社・寺院から、保存・公開のために一時的にお預かりしている寄託(きたく)資料も含まれます。
 社寺の由緒を伝える縁起(えんぎ)や神仏の姿をあらわした仏像・神像、絵馬(えま)などの奉納品といったこれらの「宝物(ほうもつ)」は、郷土の歴史や文化を知るための貴重な信仰の遺産といえるでしょう。本展示ではこうした品々を紹介し、そこに込められた人々の祈りや美意識に注目します。

一、由緒を伝える
 社寺の由緒や神仏の霊験(れいげん)・功徳(くどく)を伝える説話、またはそれを文字や絵であらわしたものを社寺縁起と呼びます。そこにはしばしば神仏や伝説的な人物が登場する奇想天外な物語が語られ、人々を信仰の世界へと誘ってきました。
 福岡市東区志賀島(しかのしま)に鎮座する志賀海神社(しかうみじんじゃ)の「志賀海神社縁起絵(しかうみじんじゃえんぎえ)」(1)もそのひとつです。鎌倉時代末頃に制作された三幅からなる掛幅(かけふく)の縁起絵で、第一幅には志賀海神が現れた境内、他の二幅には神功皇后(じんぐうこうごう)と祭神の阿曇磯良(あずみのいそら)の活躍が描かれています。掛幅形式の縁起絵は九州地方では八幡宮に多く見られ、人々の前に懸けて唱導僧(しょうどうそう)が物語を語る「絵解(えと)き」として用いられたと考えられています。
 福岡県糸島市雷山(らいざん)の千如寺大悲王院(せんにょじだいひおういん)に伝わる「雷山千如寺縁起(らいざんせんにょじえんぎ)」(2)も八幡系の縁起で、雷山神の霊験や千如寺を開いた清賀上人(せいがしょうにん)などの神秘的な説話が紺紙(こんし)に金泥(きんでい)を用いて記されています。

二、神仏のかたち

渡唐天神立像
4 渡唐天神立像
(水鏡天満宮)
 人々の信仰の対象であり、祭りや祈りの中心となる神像や仏像の姿にも、それぞれの物語が秘められています。
 水鏡天満宮(すいきょうてんまんぐう)は福岡市の中心部、天神の地名の由来となった神社です。その社宝のひとつ「綱敷天神像(つなしきてんじんぞう)」(3)は、菅原道真(すがわらのみちざね)(天神)が大宰府に左遷される途中の浜辺で休む場所がなく、船のとも綱を巻いた敷物に坐ったという説話にもとづいて描かれています。同じく水鏡天満宮に伝わる「渡唐天神立像(ととうてんじんりゅうぞう)」(4)も、道真が中国の禅僧、無準師範(ぶしゅんしばん)に参禅したという説話にもとづく木彫像で、中国の衣服を着け手には道真が愛した梅の枝を持っています。台座裏の銘文から享保元年(1716)に京都仏師の正慶(しょうけい)(照暁(しょうぎょう))が太宰府戒壇院(かいだんいん)で「飛梅(とびうめ)の木」を用いて彫ったことがわかります。
 福岡市博多区の禅寺、承天寺(じょうてんじ)に伝わる二幅の「楊柳観音菩薩像(ようりゅうかんぼさつぞう)」(5―1・2)は、南海の補陀落山(ふだらくせん)に住む観音を修行中の善財童子(ぜんざいどうじ)が訪ねるという『華厳経(けごんきょう)』入法界品(にゅうほっかいぼん)の一場面をあらわした仏画です。いずれも朝鮮・高麗時(こうらい)代の宮廷周辺で制作されたとみられる優品で、中世の博多を舞台にした国際交流の中でもたらされたと考えられます。

休館日

開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(入館は午後5時まで)
休館日
毎週月曜日
※月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで
pressrelease

Facata(博物館だより)

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