黒田家名宝展示―官兵衛ゆかりの資料展示―
展示中の資料
■ 重要文化財 黒漆塗桃形大水牛脇立兜
福岡藩初代藩主黒田長政所用の兜。『黒田家御重宝故実』では、もとは佐々木家旗頭の家臣であった浦野若狭守(わかさのかみ)が所持していたとあり、武家の守護神として信仰を集める八幡神から授かったものと記される。のちに、佐々木源氏を祖とする黒田家に仕える際に、八幡神の加護を祈って長政へ献上された。『黒田家譜』では、この兜を着用した長政が、朝鮮において奮戦する様子が記されている。
兜の形態は、桃の実に似た形をした「桃形」。水牛の角を表した巨大な脇立は、桐材に金箔を貼っているため、見た目よりもずっと軽い。前立の金色の丸は黒田家の家紋である「白餅」を表している。
黒田家名宝展示について
福岡市博物館の重要なコレクションの一つに、福岡藩主・黒田家に伝来した黒田家資料があります。国宝「金印」や、黒田節でおなじみの名鎗「日本号」は、黒田家から寄贈を受けたものです。
黒田家資料を中心に紹介する企画展示室2(黒田記念室)の「黒田家名宝展示」のコーナーでは、例年1月、2月に「国宝 刀 名物『圧切長谷部』」、「国宝 太刀 名物『日光一文字』」も展示します。
■場所/福岡市博物館 企画展示室2(黒田記念室)
■観覧料(常設展・企画展共通)/一般200円・高大生150円・中学生以下無料
1「黒田家名宝展示」展示予定(2025-2026)
- 重要文化財 刀 名物「安宅切」・金霰鮫青漆打刀拵
- 4月8日(火)~6月1日(日)
- 重重要文化財 黒漆塗桃形大水牛脇立兜
- 6月3日(火)~7月21日(月・祝)
- 道卜居士像・黒漆叩塗帽子形兜
- 7月23日(水)~9月7日(日)
- 関ヶ原戦陣図屏風
-
9月9日(火)~11月3日(月・祝)
- 諸侯旗幟屏風
- 11月5日(水)~12月27日(土)
- 国宝 刀 名物「圧切長谷部」
- 1月6日(火)~2月1日(日)
- 国宝 太刀 名物「日光一文字」
- 2月3日(火)~3月1日(日)
- 黒田如水の和歌と連歌
- 3月3日(火)~4月5日(日)
2 大身鎗 名物「日本号」
柄を含めた総長が321.5㎝、刃の長さ79.2㎝ 室町時代(14~16世紀)
黒田家の家臣「黒田二十四騎」のひとり 母里太兵衛が、祝宴で大盃を飲み干せば、この鎗を与えるという約束を守らせて、武将・福島正則から手に入れたもの。別名「呑み取りの鎗」といわれる。

日本号(部分)