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黒田記念室

平成15年1月5日(日)~2月9日(日)

昭和28年3月31日指定
法量 長さ64.8/反り0.9
時代 南北朝時代
造込(つくりこみ) 鎬(しのぎ)造り、庵棟(いおりむね)、身巾広く重ねややうすく、反り浅く、 大切先(きっさき)
鍛(きたえ) 板目流れで、よくつみ、地沸つき、地景入る
刀文 皆焼(ひたつら)、下半大乱れの皆焼、上半はのたれに小乱れが交った皆焼
帽子 乱れ込んで丸く返る
彫物 棒樋、切先下がる
中心(なかご) 大磨上(おおすりあげ)、先刃上栗尻、鑢目(やすりめ)は切、目釘穴四(うち三埋 )
銘 無銘、金象嵌表「黒田筑前守」 裏「長谷部国重本阿(光徳の花押)」

付属
  作者は桃山から江戸時代初期の埋忠と思われる金二重桐紋透はばき。蓋表に金泥で「圧切長谷部 」と書かれた黒漆塗刀箱。傷みが激しく使用不可能であるが刀袋がある。


 金霰鮫青漆打刀拵(きんあられさめあおうるしうちがたなこしらえ)(総長92.2)は、「安宅切」の拵えに似せて作ったもの。本地は朱塗鮫着で、薫韋巻(菱、片ひねり巻)。鞘は金霰地圧出、腰青漆、角所黒漆、小尻銀鋤形。鐔は鉄地木爪形斧造で表に「南無妙法蓮華経」裏に瓢箪の毛彫りあり、銘「信家 」。目貫は桐三双、赤銅高彫色絵。縁は赤銅製波文で「一乗斉毛利光則」の作者銘がある。光則は文化文政期(1804~30)頃の金工作者で、この拵の制作時期はこの頃と思われる。本歌である「安宅切」の拵にくらべ重く、よく写しているが細部において相違点がみられる。

備考
  黒田家旧蔵の『黒田家御重宝故実』には「圧切御刀 弐尺壱寸四分 長谷部国重一名半阿弥 信長公御時クワンナイと云茶道坊主を手打にし給ふ、台所へ逃行、膳棚の下ニかゝミけるを、振上切給ふ事成難刀を指入てへし入給ふに、手に不覚切落し給ふ、是より圧切と名付らる、信長公より如水へ被遣と云々、本阿弥の名物記にも長政公御拝之(ママ)由也」とあり、へし切の名称の由来が記されている。また、拝領については『名物三作』(本阿弥正三郎の弘化2年(1845)の写)には「松平筑前守殿 ヘシ切長谷部長サ弐尺壱寸四分 無代(ママ) 五百貫代付 信長公御所持 御茶道観内ト申者御敵対仕事 有之ニヨリ御手討ニ被成御膳棚の下へ隠レケルヲヘシ切ニ被成候故名付大切物也 羽柴筑前守様ト奉申時秀吉公より被進黒田長政殿拝領重宝也」とあり、秀吉から長政が拝領したことになっているが、これにはつぎのような後世の附箋がついている「ヘシ切 国重ハ小寺政職ノ使トシテ孝高公信長ニ面会ノ時中国征伐ノ献策ヲ賞シ与ヘラレタルモノニテ秀吉ヨリ長政公拝領ニハアラス(本阿弥家ノ誤伝ナリ) 」。作者の長谷部国重は建武期(1334~36)頃の山城国(京都)の刀工。
 

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