福岡市博物館は今年で30周年を迎えます
メッセージ
開館30周年のご挨拶
—— コロナ禍の中で私たちが考えること ——
1990(平成2)年10月18日に開館した福岡市博物館は、今年で30周年を迎えました。改めて振り返ってみると、ほぼ平成という時代に重なるこの30年は、世界が巨大な変動を経験した時代でした。
開館の前年、百道浜の地でアジア太平洋博覧会が開催された1989年は、中国で天安門事件があり、ベルリンの壁が壊された年です。冷戦体制は崩壊し、続いてグローバル化と情報化の波が押し寄せました。韓国、台湾、中国をはじめとする東アジア諸地域の目覚ましい経済発展、Windows95の発売を画期とするインターネットの急速な発展、それに続くスマートフォンとSNSの普及などは、すべてこの時代に起こったことです。
私たちの身の回りの世界でも、少子高齢化や格差社会の問題など、克服しなければいけない課題が膨らむ一方で、さまざまな分野で多様性が拡大し、それを不可欠の社会的要素とする認識も広く浸透しはじめています。
激動する世界と並走するように、福岡という町もこの30年の間に大きく変貌を遂げ、その活力は国内外から注目を集め、賞賛されるようになりました。福岡市博物館は、そんな疾走する町の空気を呼吸しながら、ともに歩んできました。これからもそうありたいと考えています。
30周年を迎えて、常にも増して身の引き締まる思いがするのは、いま世界中が、新型コロナウイルスによる感染症の爆発的な蔓延という危機の中にあるからです。あれだけの数を誇ったクルーズ船やインバウンドのお客様がすっかり影をひそめているように、疾走してきた福岡の町も、いまは少し立ち止まっているように見えます。それはしばらくの間、止むを得ないことかもしれません。
しかし、もともと博多/福岡という町は、およそ2000年にわたって、時代の変化に応じて自らを定義し直しながら発展してきた町です。2000年の歴史を通してはぐくまれ継承されてきた、この町の人々の明るく開放的で進取の精神にみちた気風は、困難の中でも、歴史に刻み込まれたDNAのようにこの町を支えてくれるはずです。
withコロナと言われる時代にあって、福岡市博物館は、この町が歴史を糧に再稼働するために微力を尽くしたいと思います。市民の皆さまの変わらぬご支援、ご協力をお願いいたします。
福岡市博物館総館長
30周年関連事業
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- ふくおかの名宝 ―城と人とまち―
- 令和2年10月10日(土)~11月29日(日)
- 開館30周年を記念し、これまで市民の皆様をはじめ多くの方々の協力を得て収集した17万件以上の収蔵品の中から、選りすぐりの名品を一堂に展観します。
- 詳細はこちらからご確認ください
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- 「こども博物館」スペシャル ※終了しました
- 令和2年10月10日(土)
- 国宝金印の当時の「使われ方」を直接体験できる好評ワークショップ「こども博物館」。今回のこども博物館は、開館30周年を記念した特別バージョンにて開催予定です。
- 詳細はこちらからご確認ください
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- 開館30周年記念コンサート ※終了しました
- 令和2年10月11日(日)
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福岡市博物館の開館30 周年を記念したコンサートを開催します。
参加無料、定員100名、メール、もしくは往復はがきにて要事前予約。【9月10日必着】 - 詳細はこちらから※申し込みは締め切りました
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- ふくおか歴史お宝クエスト
- 令和2年10月10日(土)~11月29日(日)
- 福岡城跡、黒田家ゆかりの寺院や、市美術館、博多旧市街をめぐって、博物館の常設展示室で公開されている文化財をモチーフにしたコレクションカードを集めるラリーです。
- 詳細はこちらからご確認ください
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- みんなでふりかえる福岡市博物館の思い出
- 令和2年9月15日(火)~11月23日(月・祝日)
- 30周年を記念し、福岡市博物館に関する皆様の様々な「思い出」を募集します。当館で経験したこと、楽しかったこと、感動したこと、驚いたことなどをエッセイ、写真、イラストの形で募集し、館内で掲示するほか、SNSなどでもご紹介します。
- 詳細はこちらからご確認ください