新型コロナウイルス感染症の流行は、マスク着用や手指の消毒といった身近なことから、外出の自粛や各種学校の休校、テレワークの推進まで、私たちのくらしに大きな影響を与えました。博物館もこのような状況の中で、展覧会の延期や密集を避ける観覧方法などの対応をとっています。
このような“今“だからこそ、博物館で見ていただきたいモノたちを集めた展示を開催します。病とくらしにまつわる4つのテーマで、伝染病をはじめとするさまざまな災厄に対して、人びとがどのように向き合い、くらしてきたかを紹介します。
展示概要
《前期展示》令和2年7月21日(火)~8月30日(日)
第1章 伝染する病に向き合う
人びとは、これまで何度も感染する病気の流行に直面しました。大正時代のスペイン風邪、明治時代のコレラ、江戸時代の天然痘と時代をさかのぼりながら、伝染病の流行とその対応を紹介します。
祝部至善画「コレラ患者の輸送」
第2章 「外出自粛」したモノ
新型コロナウイルス感染症の影響で、各地の展覧会が延期や中止になりました。そのため、当館の資料も活用の場を失いそうになっています。そんな、「外出自粛」を余儀なくされたモノたちを、この機会に紹介します。
1964オリンピック東京大会記念絵葉書
《中期展示》令和2年9月1日(火)~10月18日(日)
第3章 みえないものと生きる―ウチとソトにいるもの
災難、疫病の現象は外側(ソト)からもたらされると考えられ、人びとは内側(ウチ)に侵入しようとするみえない存在を感知し、想像力で可視化させてきました。また、神仏などに頼り、祈願や呪(まじな)いで対抗しました。本章は古代から現代まで〝みえないもの〟と共にあった人びとの事例を紹介します。
鬼瓦
《後期展示》令和2年10月20日(火)~11月29日(日)
第4章 疫病と歌舞伎
江戸時代以来多くの人々を熱狂させてきた伝統芸能・歌舞伎。ここでは、疫病という切り口で歌舞伎関連資料を展示します。折しも歌舞伎界の大名跡・市川団十郎白猿復活のとき。描かれた歴代団十郎の姿とともに、疫病を祓う歌舞伎のちからをご覧ください。
初代歌川国貞画「九代目市川団十郎の『にらみ』」
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