平成13年12月18日(火)~平成14年1月27日(日)
◆民俗◆
52 博多高砂会長寿番付奉納額 18 墨壷 |
民俗資料には、昭和初期から20年代にかけての写真資料(34~36、38)があります。父母・祖父母の世代の博多山笠や日常生活の様子が映し出されています。
「博多高砂会長寿番付奉納額(はかたたかさごかいちょうじゅばんづけほうのうがく)」(52)は、博多の老人会である博多高砂会(現:博多高砂連)が、昭和10年・11年に制作した奉納額です。高砂会員の名前が、男女別・年齢順に記されるもので、88歳を最年長とする男性1252人、95歳を最年長とする女性1388人が刻まれています。人の一生には、いわゆる冠婚葬祭にあたる節目のほかにも、年を重ねるなかで、
その厄(やく)をはらい、長寿を祝う儀礼がみられます。 これらを年祝(としいわ)いと呼びますが、年祝いに関わる資料は、 ほかに、志賀島(しかのしま)で行われている40歳の初老賀(しょろうが)・60歳の還暦賀(かんれきが)の宴会のプログラムと襷(たすき)(41)のほか、
博多で刷られた長寿番付(94、95)などがあります。 その他の民俗資料には、早良区石釜(いしがま)地区の子ども会のソリ(60)、民芸品としての価値も高い墨壺(すみつぼ)を含む大工道具のコレクション(18、19)があります。
◆美術◆
101 黒塗藻魚文螺鈿深盆 24 博多人形 「初袷」 |
美術工芸品には、東アジアの美術の諸相を示す李朝(りちょう)の漆器(101)や中国の仏像(51)、近世の石造地蔵像(59)が含まれます。また、筑前の女性文化人の活躍を示す原采蘋(はらさいひん)作の「七言詩屏風(しちごんしびょうぶ)」(53)や久留米(くるめ)藩御用絵師・三谷等悦(みたにとうえつ)作の「林和靖図屏風(りんなせいずびょうぶ)」(99)、近世初期風俗画屏風の好資料である「邸内邸外図屏風(ていないていがいずびょうぶ)」(100)などが見られます。特筆すべきは、博多が誇る人形師・小島與一(こじまよいち)氏の資料(24~30)でしょう。小島氏の作品のみならず、収集した宗七焼(そうしちやき)、スクラップ帳、故西島伊三雄(にしじまいさお)氏によるポスターなど、その創作活動の背景をよく伝えています。