平成21年3月4日(水)~3月22日(日)
開催にあたって
ポスター(博多座と明治通り) |
福岡市博物館は、昭和58年(1983)に博物館建設準備室を発足して以来、市民の皆様のご協力をいただき、博物館資料の収集をおこなってまいりました。考古・歴史・民俗・美術の各分野にわたる収集資料は、お陰をもちまして11万件を越えるようになりました。
収集した資料は保存、展示するために整理と調査を行ってリストを作成し、収集年度ごとに『収蔵品目録』として刊行しています。また、博物館の資料収集活動を広く市民の皆様に知っていただくため、毎年『新収蔵品展』を開催しており、今年度で21回目を迎えます。今回は、平成17年度に寄贈、購入によって収集した資料の中から、各分野選りすぐりの資料を展示いたします。
最後になりましたが、貴重な資料をご提供いただきました皆様にあつく御礼申し上げます。また、観覧された皆様には、この展覧会を通して福岡の歴史と人々のくらしについて関心を寄せていただくとともに、福岡市博物館の資料収集活動にご理解とご協力をいただければ幸いに存じます。
展示内容
一、考古 埴輪と古代の瓦
1 朝顔形埴輪 |
考古の分野からは、古墳時代の埴輪(はにわ)と古代の瓦をご紹介します。
福岡市博多区竹下にあるアサヒビール博多工場の敷地内には、6世紀に築造された全長75メートルの大型前方後円墳、東光寺剣塚古墳(とうこうじけんづかこふん)が残ります。「朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)」(1)は、この古墳から出土したもので、一部に畿内と共通する技法が用いられています。ほかにも人物や馬を象った埴輪があり、福岡の古墳時代を知る上で貴重です。
「軒丸(のきまる)・軒平瓦(のきひらがわら)」(5・6)は奈良時代に使用されたもので、出土地は不明ですが、古代の迎賓館のあった鴻臚館跡(こうろかんあと:福岡市中央区)から出土した瓦(鴻臚館式)と同じ形式であることから、太宰府周辺で制作されたと考えられます。