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今年開館20周年を迎えた福岡市博物館の所蔵品は、12万件以上にのぼります。実は、その半分以上は、市民の方からご寄贈やご寄託を受けたものです。きっかけの多くは、冒頭のようなお電話。それぞれのお宅などで何か古いものが見つかり、博物館で活用できないかと、お問い合わせいただき、学芸員による調査と学識経験者による審査を経て、さまざまな資料が博物館に収蔵されるのです。それらは、一つ一つが郷土の歴史や文化のさまざまな側面を鮮やかに伝える役目を果たしてくれています。
博物館では、毎年「ふくおかの歴史とくらし」というタイトルで、新しい収蔵品をお披露目する展覧会を開催しています。これは、資料をご寄贈・ご寄託いただいた方々のご厚意を顕彰する意義も有しています。第23回目となる今回は、平成19年度に収集し、整理と調査を終えた1065件の資料の中から約100件を紹介します。
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【旧武徳殿の鴟尾】
日の目を見るのは30年ぶり! 福岡県庁移転(昭和56/1981年)のための東公園再整備で取り壊された旧武徳殿(上の写真)。その屋根の上に据えられていたのがこの鴟尾(右の写真)。市内のある会社の倉庫に、長い間保管されていた。
【鷹取秀次像】
戦国時代、宇喜多秀家に仕えた鷹取秀次の肖像画。慶長5(1600)年9月の関ヶ原合戦後、秀次は黒田長政から仕官の誘いを受けたが固辞。代わりに2人の息子が医者として黒田家に仕えた。
【古代の瓦】
時は大正、金石学から歴史考古学へ- 学術誌『考古学雑誌』の紙上を飾り、九州考古学の祖・中山平次郎、郷土史家・木下讃太郎、日本を代表する考古学者・高橋健自も注目した古代の瓦。
【裏粕屋郡内上和白村田畠新開御検地帳】
裏粕屋郡上和白村(福岡市東区)の検地帳。検地帳とは、村ごとに田畠や屋敷地の所在や面積、石高、名請人(年貢等の負担者)などを記した台帳のこと。これは新たに開墾された田畠を記した寛永21(正保元・1644)年作成のもの。
【棟上飾り(鏑矢・雁股矢)】
この一対の矢は、家屋の上棟式の為に棟梁が作ったもの。長さは4メートルに近い。御幣や扇子をあしらい、麻と紅白の布を長く垂らして屋根に掲げる。すると、それを目印に近所の人がぞろぞろ集まってくる。お待ちかねの餅撒きだ。