平成3年4月2日(火)~6月2日(日)
鋤崎古墳 |
今宿大塚古墳 |
古墳時代は前方後円墳が造られた時代といえます。おおむね4~6世紀前後のことです。古墳は土を盛って造った墓で、円墳や方墳、前方後円墳の他、様々な形があります。このうち王や豪族の墓には主に前方後円墳が採用されました。
福岡周辺では、弥生時代に伊都(いと)国があった糸島地域や奴(な)国があった福岡平野で各時期の前方後円墳が継続して造られています。この両地域に挟まれた早良平野では前方後円墳の数が少ない上、拝塚古墳を除いて規模も小さく、弥生時代の力関係が古墳時代にも引継がれていたと考えられます。
今回福岡市内に分布する前方後円墳の出土遺物を一堂に展示するとともに、比較するために前方後円墳以外の古墳から出土した遺物も合せて展示しました。1,500年前の権力者たちの姿と豪華な副葬品を御覧下さい。
古墳の構造
古墳は土を盛った古墳本体(墳丘(ふんきゅう))とその外を巡る濠(周濠(しゅうごう))、さらにその外に巡らせた土盛(周堤(しゅうてい))から成るが、周濠や周堤のない古墳も多い。前方後円墳の墳丘は2~3段の階段状に造られ、段や頂上に埴輪が置かれた。斜面を石で覆う(葺石(ふきいし))ものも数多くあった。遺体は石を積み上げた部屋(石室(せきしつ))や木製の棺(木棺(もっかん))に埋葬された。
3世紀末~4世紀初め
那珂八幡古墳出土三角縁神獣鏡 |
弥生時代と古墳時代の接点であるこの時期、前方部がかなり低く短い特殊な前方後円墳が全国に点々と分布する。茸石や埴輸をもたない古墳が多く、埋葬施設は木棺を使っている例が多い。
福岡周辺には10基近くが分布し、博多区那珂八幡古墳(全長75m)と筑紫野市原口古墳(80m)は全国的にも大きな古墳である。なおこの時期を古墳時代に含めない研究者と、含める研究者がいる。
那珂八幡古墳 | (前方後円墳) | 博多区那珂 |
名島古墳 | (前方後円墳) | 東区名島(曽根田諭氏寄贈) |
藤崎遺跡 | (方墳・方形周溝墓) | 早良区百道 |
五島山古墳 | (?) | 西区姪浜(中村ナミ氏所蔵) |