平成5年2月16日(火)~5月9日(日)
ポスターについて
視覚に訴える宣伝媒体の一種で、大衆の目につきやすい場所に掲示される大形の広告紙片をいう。宣伝のテーマ(主題)は、イラストレーション(さし絵)と簡潔な文案(タイトル、キャッチフレーズなど)とにより造形的に表現される。ポスターの語原は、ラテン語の柱やくいを意味するポスト(Post)から出たもので、宣伝ビラの類がしばしばポストにはりつけられたため、そのビラ自体がポスターと呼ばれるようになった。
わが国のポスター
ポスターが宣伝媒体としての近代的な機能を備えるようになったのは、19世紀後期にはいってからである。すなわち、自由経済の発達と近代産業の工業化による大量生産は、商品の販売を広範囲にわたり、迅速におこなうことを必要とし、市場獲得の競争は商業宣伝の目的で、ポスターの利用を一層盛んにした。同時に明治7(1875)年の石版術のわが国への輸入は、これに拍車をかけた。
この展覧会で、福博のポスターの歩みをたどってみると、ポスターは近代日本の足どりと歩調を合せた、まさしく「時代の証言者」の歩みであったといえるのではなかろうか。
ポスター(アサヒビール) | ポスター(博多山笠) |
アメリカの自由の女神をモティーフとしたこのポスターは、昭和初年のもの。デザインは、創造的で、斬新である。 | 躍動感あふれる明治期の博多山笠をデザイン化し、山かきの様子を生き生きと伝えている。 |