平成8年3月26日(火)~5月26日(日)
出品資料一覧
1 合子形(ごうすなり)兜
1頭/江戸時代 貞享(じょうきょう)5(1688)年/鉢高20.1 重量3,580
3代藩主黒田光之(みつゆき)が、祖父黒田如水愛用の「赤合子」の兜をしのんで、福岡藩の甲冑師(かっちゅうし)の春田次兵衛(はるだじへい)、岩井勘之丞(いわいかんのじょう)などに作らせたもの。
2 一(いち)の谷形兜(たになりかぶと)(重要文化財)
1頭/桃山時代(16世紀)/外鉢高32.5 左右幅56.5/重量3,100
檜(ひのき)の薄い板をまげ、表面に銀箔(ぎんぱく)を押したこの形は、源義経(みなもとよしつね)の逆(さか)落しの奇襲で有名な一の谷(現神戸市)の嶮(けわ)しい崖(がけ)を表している。
3 大水牛脇立兜(だいすいぎゅうわきたてかぶと)(重要文化財)
1頭/桃山時代(16世紀)/鉢高24.7 重量3,300
桃形(ももなり)の兜に、紙と木で作り金箔を押した張ぼて(張懸)の大水牛の角の脇立を付けたもので、脇立自体は軽い。前立は金の石餅(こくもち)である。
4 大水牛脇立兜(だいすいぎゅうわきたてかぶと)
1頭/江戸時代(19世紀)/鉢高38.5 重量3,500
福岡藩最後の藩主である12代黒田長知所用の兜で、初代藩主黒田長政の大水牛脇立兜を模したもの。初代のものに比べてやや大ぶり。
5 歯朶前立兜(しだまえたてかぶと)
1頭/桃山時代(16世紀)/鉢高32.7 重量1,750
ヨーロッパ製の兜鉢に錣(しころ)を付け、徳川家康のシンボルである歯朶の葉の前立を飾っている。南蛮鉢(なんばんばちは)は日本の桃形兜(ももなりかぶと)のモデルとなった。
6 黒漆叩塗帽子形兜(くろうるしたたきぬりもうすなりかぶと)
1頭/江戸時代(17世紀)/外鉢高23.4 重量3,200
叩塗とは、生麩(なまふ)などをまぜてその流動性(りゅうどうせい)をなくした漆を表面に塗り、たんぼで叩いて縮緬(ちりめん)のような皺(しわ)を作る、変わり塗りの手法。
7 大小字頭立置手拭形兜(だいしょうじずだておきてぬぐいなりかぶと)
1頭/桃山時代(16世紀)/鉢高15.0 重量2,560
兜の頂上中央で矧(は)ぎ合せた幅の広い上板の形が、手拭を頭上にたたんで置いた様子に似ているため、置手拭形兜と呼ばれる。
8 熨斗前立頭形兜(のしまえたてずなりかぶと)
1頭/江戸時代中期(18世紀)/総高45.3 重量2,660
頭形(ずなり)兜に、贈り物や供え物に付ける飾りである熨斗(のし)の形の前立を付けている、装飾的な兜。
9 銀中刳大立物脇立兜(ぎんなかぐりおおたてものわきたてかぶと)
1頭/桃山時代(16世紀)/鉢高19.0 総高110.5 重量2,320
頭形兜に、檜の割木(わりき)に銀箔を押し、左右あわせて1つの中刳りの大輪(たいりん)に見える脇立を持つ。出品資料7とともに、黒田一成(かずなり)の所用。
10 魅前立兜(しかみまえたてかぶと)
1頭/桃山時代(16世紀)/鉢高22.5 重量3,250
桃形兜に、箱状で、鬼面(きめん)に近い魅(しかみ)(もののけ)の顔のある前立を持つ。箱はお守札を納める。
11 高角前立八幡守札後立突貝形兜(たかづのまえたてはちまんまもりふだうしろだてとっぱいなりかぶと)
1頭/江戸時代(17~8世紀)/鉢高23.5 重量2,350
突貝形兜に、前立や後立だけでなく、錣に引廻しと呼ばれる、毛の覆いの飾りを付ける。
12 柊(ひいらぎ)の葉脇立越中頭形兜(はわきたてえっちゅうずなりかぶと)
1頭/江戸時代(18世紀)/鉢高20.0 重量2,100
越中頭形とは、熊本藩初代藩主細川(ほそかわ)越中守忠興(ただおき)が工夫した兜で、兜の上板の先が眉庇(まびさし)の上で重なっているもの。熊本藩士の所用。
13 六十ニ間星突貝形兜(けんほしとっぱいなりかぶと)
1頭/江戸時代(17~18世紀)/鉢高 27.5 重量3,600
突貝とは先の尖った兜のことで、三角形の鉄板をたてに矧(は)ぎ合わせてつくる。前立は法具(ほうぐ)である三鈷杵(さんこしょう)の鍬形で魚のひれの脇立が付く。
14 蝙蝠前立兜(こうもりまえたてかぶと)
1顕/江戸時代(17世紀)/鉢高18.5 重量2,690
62間の星兜に、桐材で作り金泥を塗ったこう蝠の前立を付けている。この他に交換用として同じく金泥塗の鍬の前立がある。
15 繰半月前立兜(くりはんげつまえたてかぶと)
室町時代末期(16世紀)/鉢高18.1 重量3,300
鉢は永禄(えいろく)年間(1558~70)に上野(こうずけ)国(現群馬県)に住んだ甲冑師明珍憲重(みょうちんのりしげ)の作。繰半月とは両端のつながった三日月のこと。
16 八幡脇立兜(はちまんわきたてかぶと)
1頭/江戸時代初期(17世紀)/鉢高16.7 重量2,800
64間の星兜に、武士の守り神である八幡神を表す「八」の字の脇立を付けたもの。前立には仏教で使う梵字(ぼんじ)が書かれている。
17 甲冑素描集(かっちゅうそびょうしゅう)
5冊/江戸時代(18世紀)/作者不詳/書冊/縦24.0 横16.0
名物(めいぶつ)兜の図柄、作者、銘、所用者の紹介書。
18 甲冑温知録(かっちゅうおんちろく)
1冊/享保16(1731)年写/作久間光風原著/書冊/縦28.0 横20.0
甲冑の各部分の名称や形の解説書。
19 梵字前立(ぼんじまえたて)
1点/桃山時代(16世紀)/桐、朱漆・金泥、径9.0 厚0.6
20 生字形前立(しょうじなりまえたて)
1点/江戸時代(17~18世紀)/木製、黒漆塗に金箔押/長さ33.4
21 朱漆塗大水牛形脇立(しゅうるしぬりだいすいぎゅうなりわきたて)
1組/江戸時代(17世紀)/木製/径57.0 幅11.5(最大)
22 銀箔押大水牛形脇立(ぎんぱくおしだいすいぎゅうなりわきたて)
1組/江戸時代(17~18世紀)/木製/径44.0 幅8.5(最大)
23 牛角脇立(うしづのわきたて)
1組/江戸時代(17世紀)/木製、漆塗/長さ37.8 径10.3(根元)
24 銀箔押山形立物(ぎんぱくおしやまなりたてもの)
1点/江戸時代(17~18世紀)/木製/長さ64.9 幅14.4
25 黒田藤巴紋後立(くろだふじどもえもんうしろだて)
1点/江戸時代(17~18世紀)/木製、黒漆塗に金泥塗/径35.7
26 兜天辺飾(かぶとてへんかざ)り
1点/江戸時代(17~18世紀)/木台に鹿皮、獣毛貼り/長さ45.0
(作品保護のため会期中一部展示替をします)
出品資料のうち1~7は黒田資料、7~9、21、22は黒田一敬氏、10、11は加藤卓氏、13、19、20、23~26は大多和歌子氏、12は三友シズ氏、14は吉井喜雄氏、16は溝部信介氏、17、18は田中雄助氏の各氏の寄贈。