アーカイブス

No.413

企画展示室3

館蔵名品で見る郷土の人と文化1-女性文化人の系譜-

平成25年1月5日(土) ~

静寂憤怒百尊曼荼羅( 憤怒尊) 部分
静寂憤怒百尊曼荼羅( 憤怒尊) 部分

 当館は平成11年度に福岡県篠栗町にある南蔵院(なんぞういん)から、チベット仏教コレクションの寄贈を受けました。この資料は1983年に全国巡回した「大チベット展」(主催/毎日新聞社)のために制作されたもので、チベット仏教ニンマ派の高僧ケツン・サンポ師の指導のもと、インド・ダージリンにあるカンギュル僧院をモデルにして専門の職人が制作しました。コレクションは総数400点以上を数え、大型の仏壇をはじめ多数の仏像、経典、仏具、楽器、仏画、曼荼羅(まんだら)などから構成されています。今回の展示ではこれらを組み立て、チベット仏教寺院の内部を再現したいと思います。
 展示室に一歩足を踏み入れたらそこはめくるめく神秘の世界。この機会に深遠なるチベット仏教の世界をお楽しみください。

1、仏壇(ぶつだん)(チューショム) 一基
木製・彩色 305×540×150㎝
 極彩色に塗られたチベット寺院の仏壇です。高さ3メートル、幅は5メートル以上もあり、中央には本尊のパドマサンバヴァ、両脇には妃(きさき)のマンダーラとイェシェー・ツォギェルの像が安置されています。
 パドマサンバヴァはチベット仏教ニンマ派の祖師で、8世紀にインドからチベットに初めて密教を伝えた伝説的な人物です。強力な呪術(じゅじゅつ)で多くのチベット土着の神々を調伏(ちょうぶく)したとされ、民間ではグル・リンポチェ(導師様)と呼ばれ崇められています。その姿は全身が金色で、右手に密教法具、左手には髑髏杯(どくろはい)と髑髏杖(どくろじょう)を持ち、ぎょろりとした大きな目でこちらを睨んでいます。
 本尊の両脇上段には仏教の開祖釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)と、パドマサンバヴァと関係が深い無量寿仏(むりょうじゅぶつ)(阿弥陀仏)が安置されています。左右の空間には細長い経典がぎっしりと収められています。

2、高座(こうざ)(シュクティ) 一基    木製・彩色 226×116×89㎝
 高僧がすわる台座です。一般の僧侶のものと異なり、龍や獅子などを彫刻した豪華な前机が付いています。上部や側面は金襴の織物で覆われ、上には孔雀の羽がついた瓶(びん)(プムパ)など、いくつかの法具が置かれています。チベット仏教では高位の僧はこの世の人々を救うためにあらわれた仏の化身(けしん)(活仏(かつぶつ))とされ、非常に尊ばれます。

パドマサンバヴァ像
パドマサンバヴァ像

3、六道輪廻図(ろくどうりんねず) 一幅
布地・彩色 掛幅装 149.5×115.0㎝
 人が死んだ後に生まれ変わる六つの世界(天(てん)・人間(にんげん)・修羅(しゅら)・畜生(ちくしょう)・餓鬼(がき)・地獄(じごく))をあらわしています。仏教ではこの世界を永遠に巡ることを輪廻(りんね)と呼び、そこから逃れるために正しい行いをすることを人々に教えています。
 図の中心には人を輪廻に誘う三つの要素(欲望・無知・怒り)を鶏・豚・蛇であらわし、周囲には人がなぜ苦しむかを十二段階に分けて説明した十二因縁(いんねん)、その外側には輪廻の輪を回転させる鬼神が描かれています。

4、須弥山図(しゅみせんず) 一幅 布地・彩色 掛幅装 149×115㎝
 古代の仏教徒が考えた世界(地球)の図です。世界は上から見ると円い形をしており、中心には須弥山(スメール山)という巨大な山がそびえています。須弥山の四方には東西南北を護る四天王(してんのう)の宮殿、頂上には帝釈天(たいしゃくてん)が住む●利天(とうりてん)があり、周囲を太陽と月が回っています。上空には幾重にも層をなして天界が広がっています。須弥山の周囲は大海になっており、須弥山を七重に取り巻く山脈の外側には四方に大陸と島があらわされています。私たちが住むのは前面に描かれた南贍部洲(なんせんぶしゅう)(撥(ばち)形の大陸)とされています。
●は、りっしんべん+刀

休館日

開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(入館は午後5時まで)
休館日
毎週月曜日
※月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで
pressrelease

Facata(博物館だより)

福岡市博物館

〒814-0001
福岡市早良区百道浜3丁目1-1
TEL:092-845-5011
FAX:092-845-5019