平成3年4月2日(火)~6月2日(日)
黒田長政公像(重要文化財) |
大水牛脇立兜(重要文化財) |
黒田資料名品展
黒田記念室開設にあたって
江戸時代約300年間の文化は現代に大きく影響を及ぼしており、文学・映像・演劇を始め様々なとりあげられかたをして我々にとってなじみ深いものとなっています。この展示室は、福岡地方の江戸時代の諸相を様々な角度から見てゆこうとするものです。
福岡地方は、黒田孝高(よしたか)・長政(ながまさ)父子を藩祖、初代とする黒田氏が、江戸時代を通じて12代にわたって藩主を勤めた地域です。福岡の地名も、新しく築城した城に黒田氏ゆかりの地、備前(びぜん)国(岡山県)邑久(おほく)郡福岡に因んで命名したことに拠っている等、黒田氏の影響は多く残っています。
従来黒田氏に関する諸資料は、黒田家の好意で福岡市美術館に収蔵展示されてきましたが、このうち歴史資料については本館に移し、本館が新たに収集した資料と合わせて、福岡地方の文化発展の歴史展示を行うこととしました。この展示が江戸時代の福岡の理解の一助となることを念願いたしますとともに、黒田資料移転に際し御協力いただきました黒田家および関係者各位に対し深く感謝申し上げます。
作品解説
黒田長政公像(くろだながまさこうぞう)(重要文化財)
黒田長政(1568~1623)は孝高の長子として生まれ、戦乱の時代を生きぬき、遂に筑前52万石を獲得した武将である。本図は唯一の甲冑姿であるが福島正則遺愛の「一の谷兜」を着用しているのは興味深い。
大水牛脇立兜(だいすいぎゅうわきたてかぶと)(重要文化財)
豪放な戦国武将の個性を表わしている変わり兜のなかでも、意匠と実用とを兼備している兜として有名。水牛の角は木製、横に出て頂上部で前方に突出する複雑な曲線を示す。黒田家の祖、佐々木源氏に伝わる兜である。
慶長御城廻絵図 |
慶長御城廻絵図(けいちょうおしろまわりえず)
福岡城内についての詳細図は意外な程少ない。藩主の居所又は藩政の中心ということで秘密にされたものであろうか。本図は比較的詳細に描かれたものではあるが、建物の規模については不詳である。