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No.024

考古・民俗展示室

油壺の美

平成3年12月10日(火)~平成4年2月16日(日)

油壺

 髪に艶(つや)を与えるための、「水油」というサラサラした整髪用油を入れました。椿油が主な材料ですが、女性の髪結が増えると芳香をくわえた「匂い油」が流行しました。近年の洋髪の普及により、さっぱりした洋風整髪料が好まれました。乳化したへアークリームなども現われ整髪料も多様化し、それとともにガラス容器が出現し、油壺も使われなくなりました。

染付松鶴文油壺 染付草花文油壺
染付松鶴文油壺 染付草花文油壺
肥前系 江戸時代中~後期
器高9.6cm 最大径8.7cm
肥前系 江戸時代中期
器高10.4cm 最大径11.1cm
染付蛸唐草文油壺 髪結道具
染付蛸唐草文油壺 染付竹梅文油壺
肥前系 江戸時代後期
器高5.3cm 最大径8.3cm
肥前系 江戸時代中~後期
器高11.3cm 最大径10.8cm
色絵菊花蝶文四角油壺 髪結道具
色絵菊花蝶文四角油壺 陶器簾(すだれ)文油壺
瀬戸・美濃系 明治~昭和時代
器高6.6cm 胴部幅6.5cm
関西系 江戸時代後期
器高4.6cm 最大径8.5cm

用語解説

〔瀬戸(せと)・美濃(みの)系〕
 愛知県瀬戸市周辺、岐阜県東部で作られた焼物の総称。古代から施釉(せゆう)陶器の生産地として著名であるが、江戸時代後期九州から磁器の製法を修得し、良質の染付(そめつけ)磁器を大量に生産した。油壺は型作りが多い。近代以降技術者が各地に移り、そこで生産されたものも瀬戸・美濃系と呼ぶ。
〔関西系〕
 京都の楽焼(らくやき)を中心とする諸窯で生産された京焼(きょうやき)風のものの総称。同じ技術は各地に拡がっており、それらも含む。陶質で、比較的低火度で焼かれた。
〔肥前系〕
 佐賀県西部、長崎県東部で生産された焼物の総称。16世紀末に朝鮮半烏から陶工を連れてきて、焼物の生産が始まった。唐津(からつ)焼と呼ばれる陶器と、伊万里(いまり)焼と呼ばれる磁器と大きく2つに分かれる。油壺はロクロで作られ、染付(そめつけ)や色絵(いろえ)で装飾される。

展示協力者一覧(順不同、敬称略)

大橋康二、木村敏子、渡邊敏助、上原弥寿喜、三角隆、帯屋蘭子、前田盛幸、冨田幸利、広田良己、赤間美奈子、長彦太郎

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休館日

開館時間
9時30分〜17時30分
(入館は17時まで)
※2024年7月26日~8月25日の金・土・日・祝日と8月12日~15日は20時まで開館(入館は19時30分まで)
休館日
毎週月曜日
(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
※2024年8月12日~15日は開館し、8月16日に休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで

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