平成4年11月25日(水)~平成5年2月14日(日)
▲第3回内国勧業博覧会錦絵 |
明治23(1890)年に東京・上野公園で開かれた博覧会を、明治天皇とともに観覧する皇后(昭憲皇太后)。鹿鳴館風のドレス姿が描かれている。 |
近代の女性の装い-和服から洋服ヘ-
現代の私たちの日常生活では、その機能性から、洋服を着て過ごす場合がほとんどです。一部の人々をのぞいて、和服を活用するのは冠婚葬祭や、茶道・華道などのおけいこ事の折に限られてきました。
和服(着物)を着用した時代が長く続いた日本では、洋服はなかなか定着しませんでした。特に女性は、男性に比べ、洋服の導入も遅く、また一部の特別な人人にしか用いられませんでした。しかし、それ故に、女性の装いの緩やかな変化は、近代社会で女性がどのような位置を占めていたかを物語っています。ここでは、明治以降の都市に生活する女性の装いが和服から洋服へと変っていく様子を追ってみたいと思います。