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No.044

考古・民俗展示室

贈答のかたち

平成5年3月23日(火)~6月27日(日)

袱紗
袱紗

3、人生儀礼の贈答

 人生儀礼で行われる贈答では、節供のように特定の食物を送る事例は少なく、贈答の食品は自由に選択されてきた。もちろん、食物以外の贈与は盛んに行われ、婚礼・出産・初盆などには、特別の縁者から衣服・褌(ふんどし)・帯・燈籠(とうろう)を贈られてきた。また、簡単な贈物としては、紙・手拭(てぬぐい)などが使用された。このような人生の節目の贈答に際しては、特定の図柄の袱紗(ふくさ)や風呂敷が併用され、その贈答の意味を象徴的に示した。


鯨の鬚・ハコフグ
鯨の鬚・ハコフグ

4、熨斗(のし)

 贈答で用いられる熨斗は、日本独特のものである。アワビの肉を薄く剥(は)ぎ、乾燥させたものが本来の熨斗とされる。他に、魚の尾や鯨の鬚(ひげ)が用いられることもある。博多湾岸には、ハコフグの剥製(はくせい)を略式の熨斗とする習俗があり、かつて博多の商店で売られていた。このような海産物が付けられた贈答品は祝儀の品となり、凶事の贈物ではないことを表示する。熨斗に使われる水引(みずひき)は、しめ縄に通じるもので、贈答と神事とのかかわりを示している。


一束一本
一束一本
家徳利
家徳利

5、返礼

 贈与に対しては、贈物を入れてきた器の中に、贈ってきた物の一部または別の品、例えばマッチや半紙などを入れて返す答礼の習慣が、最近までみられた。この返す行為をオカエシ・オウツリ・オタメ・トビ・トシダマなどと各地で称している。正月の重餅(かさねもち)の上にのせたり、しめ縄に付けるオヒネリも同じ意味とされる。この返礼の習慣も、神事の直会(なおらい)や花見などの酒宴でみられる「共食(きょうしょく)」と同じ意味を持ち、その名残(なごり)であるとされる。

■展示協力者一覧(順不同、敬称略)

石橋清助、本松常道、武内 修、 吉浦正雄、柴田 稔、渡邊敏助、 高崎富士雄、中尾利雄、前田盛幸、 玉川 桂、渡邊吉次郎、大橋重雄、 上田泰三、赤間美奈子、花田イト、 広田良巳、白水善六、小川スエ、 白水智子、山本儀七郎、野間フキ、 藤村元昭、斎藤忠夫、藤井靖司

能古島おくんち行事保存会

※期間中、一部展示替をします。

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休館日

開館時間
9時30分〜17時30分
(入館は17時まで)
※2024年7月26日~8月25日の金・土・日・祝日と8月12日~15日は20時まで開館(入館は19時30分まで)
休館日
毎週月曜日
(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
※2024年8月12日~15日は開館し、8月16日に休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで

Facata(博物館だより)

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