平成6年3月29日(火)~9月25日(日)
6 石造降誕釈迦像 |
6 石造降誕(こうたん)釈迦像 1躯
石造菩薩形立像 1躯
石造降魔(ごうま)釈迦像 1躯
福岡県指定文化財/個人蔵/総高28.3、19.9、23.6
仏教がインドでおこったのは紀元前5世紀頃のことで、パキスタンのガンダーラ地方で仏像が石で造られるようになったのは2世紀からのことである。特に釈迦の一生を描いた仏伝(ぶつでん)は多く造られ、これはマヤ夫人(ぶにん)の右脇腹から誕生している釈迦と、釈迦の王子時代をモデルにした首飾りなどをつけた装飾豊かな菩薩形立像、そして魔衆の攻撃をはらいのけて樹下にて悟りをひらく釈迦を描いたもので、これらの浮彫はストウーパの基壇部などを装飾したものである。
7 銅造菩薩形坐像 |
7 銅造菩薩形坐像 1躯
像高75.3/徳田信彦氏寄託
法衣を両肩にまとい、腰には裙、そして肩から下着をつける。痩身で背筋をのばして結跏趺坐する。両手は親指と中指を結ぶ。両手首先は別鋳である。顔は眉から口元までかなり厳しい鋳造で、ほかの高麗仏とも異なったするどい目鼻立ちをしている。頭頂の先には髻が、髪の生えぎわの上には冠があったと思われる。膝前に鋳造時の欠損はあるが、堂々としたすぐれた鋳造仏である。
8 鍍金鐘 |
8 鍍金鐘(ときんしょう) 1口
重要文化財/東区・志賀海神社蔵/総高52.8
全面鍍金(金メッキ)された高麗時代の釣鐘である。日本の釣鐘と竜頭の部分の意匠が大きく異なり、旗挿(はたさ)しと呼ばれる筒と体をくねらせた竜があらわされる。やや小ぶりであるが、各部にほどこされた牡丹唐草文などの文様や側面に陽鋳された4組の菩薩、天部、楽器などすぐれた装飾にあふれている。
9 木造観音菩薩立像 |
9 木造観音菩薩立像 1躯
像高145/野見山英治氏寄贈
1本の木を彫り込んで造った一木造(いちぼくづくり)、そのために干割れが生じ、彩色もとれかかっているが、高く結いあげた髻(もとどり)や気品あふれる顔、そしてスラリとのびた身体に、中国13世紀の宋時代末期から元時代初期の仏像の特徴が感じられる。このころの中国の木彫の作例は少なく、貴重な仏像である。
10 石造経筒 2口
総高(1)35.0 (2)37.0/館蔵
西油山(早良区西油山付近)出土と伝える石製の経筒である。出土地が同じとされる石製経筒で承徳3年(1099)の銘が刻まれたものがある。その銘には妙法蓮華経二部を書いて供養をし、埋納したことが記され、本資料も同様に使われたものと思われる。西油山出土と伝える経筒はほかに鋳銅製、陶製の経筒も知られる。