平成13年5月29日(火)~平成13年9月9日(日)
古墳時代の指定文化財
古墳時代の指定文化財は、博多区那珂八幡(なかはちまん)古墳や西区五島山(ごとうやま)古墳と早良区藤崎(ふじさき)遺跡の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)に副葬されていた三角縁五神四獣鏡(さんかくぶちごしんしじゅうきょう)などのほかに、硬玉(こうぎょく)製勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)・ガラス玉と銅鏃(どうぞく)など3件38点の資料があります。
一方、これらの資料を副葬した那珂八幡古墳や博多区今里不動(いまさとふどう)古墳、城南区の梅林(うめばやし)古墳、西区の若八幡宮(わかはちまんみや)古墳・山の鼻古墳1号墳・夫婦(めおと)塚2号墳・草場(くさば)古墳群などの古墳が史跡に指定されています。また、西区の丸隈山(まるくまやま)古墳と今宿大塚(いまじゅくおおつか)古墳・鋤崎(すきざき)古墳の3基の前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)が国史跡に指定されています。これらの古墳と副葬遺物が福岡の古墳時代の歴史と文化を物語っています。
24.那珂八幡古墳 出土品 |
25.五島山古墳 出土品 |
26.筥崎宮出土瓦経 |
27.井相田遺跡出土 供養遺品 |
28.大永四年銘 梵字板碑 |
29.正平廿一年銘梵字板碑 |
(右)30.貞和七年 銘梵字板碑 (左)31.応永 銘梵字板碑 |
32.明徳庚午歳 銘梵字板碑 |
古代末から中世の指定文化財
平安時代の終わりから室町時代には、末法(まっぽう)思想の拡がりから寺社や仏像など仏教に関わるさまざまなものが指定文化財や史跡などに指定されています。
この時代の指定文化財には、筥崎(はこざき)宮から出土した36面の瓦経(がきょう)や博多区井相田(いそうだ)遺跡の池跡から出土した2,100余本を超える柿経(こけらきょう)、卒塔婆(そとば)、笹塔婆(ささとうば)のほかに13世紀から16世紀に造立された13基の板碑(いたび)など15件68点のものが指定されています。博多のメインストリート沿いに並んで建立された聖福寺(しょうふくじ)や承天寺(じょうてんじ)などの仏閣を中心として栄えた貿易都市「博多」の精神文化を物語っています。
33.永和三年銘梵字板碑 |
34.建徳銘梵字板碑 |
35.正平十四年銘梵字板碑 |
36.永正三年銘梵字板碑 |
37.嘉暦三年銘自然梵字板碑 附自然石梵字板碑 |
38.明応二年銘板碑 |
39.正安四年銘梵字板碑 |
40.貞和五年銘梵字板碑 |
九州大学考古学研究室・天台宗宗栄寺、箱崎漁業協同組合、福岡市埋蔵文化センターのほか板碑所蔵の方々のご協力をいただきました。
(小林義彦)