平成16年11月16日(火)~平成17年1月10日(月)
2 家庭で愛されるこども
1900年頃、英語のhome(ホーム) の訳語として「家庭」という語が多用されるようになりました。祖先を崇拝することや、それを継続させる親子関係を重視した考え方である「家」に対し、「家庭」という考え方は夫婦関係を重視したため、「家庭」においては、“夫婦と子ども”という構図が一般的でした。その結果、職業を持って働く夫 (父) と、家事や育児をこなし、「家庭」に団欒(だんらん)を創り出す妻 (母) という考え方が、広く宣伝されるようになりました。家庭における子どもは、こうした父母のもとで、愛護されるべき存在となりました。とくに母親は子どもと密接な関係にあり、子どもは母親が愛情をもって育てるべきであるという考え方が強くなっていきました。
3 戦時体制を支えたこども
昭和6年の満州事変(まんしゅうじへん)をきっかけに、日本は15年にわたる長い戦争の時代へと進んでいきました。戦争を勝ち抜くためには、国民の士気を常に高揚させておくことが必要となり、子ども達に対しても、大人と同様に戦争を闘い抜こうとする姿勢を要求しました。戦前の陸海軍では少年期から軍人(武官 ) を養成する学校があり、それらに入学する他、志願兵として入隊し、戦力の一部を担う場合もあり、軍人(武官)になることは男の子の進路のひとつになっていました。また戦場に行かない子どもも、勤労奉仕や広報活動を通して戦時体制を支えることとなりました。
(野口 文)
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