平成17年8月23日(火)~10月30日(日)
中国宋時代の草花文 ・折枝文 (せっしもん)中国宋時代に入ると花弁文に加え、花枝を折った図案が多く用いられるようになりました。宋時代に入って目覚しい発展を遂げる陶磁器にも取り入れられました。この文様は博多遺跡群出土の陶磁器にも多く見られます。 越州窯青磁碗(えっしゅうようせいじわん) (鴻臚館跡 出土)内面には片切彫り(かたぎりぼり)(文様の線の片側を垂直に、他の片側を 斜めに彫る技法)と毛彫り(毛髪の様に細い線で文様を彫る技法)による精緻な花弁文が施されています。 白磁皿 (博多遺跡群出土)花弁文の他に折枝文を片切彫りしています。 黄釉鉄絵盤(おうゆうてつえばん) (博多遺跡群 出土)力強く一輪や菱形にまとめた牡丹折枝文を描いています。並べられた資料から文様が簡略化される流れを追うことができます。同じ窯の製品が福岡市城南区田島京の隈経塚出土の経筒外容器の蓋(ふた)に用いられています(常設総合展示室に陳列されてい ます)。
青白磁合子(せいはくじごうす) 和風化した草花文
・和鏡 萩双鳥鏡
(はぎそうちょうきょう)(博多遺跡群出土)、草花双鳥鏡(箱崎遺跡出土)無界圏・素鈕の円鏡で、鏡背面に草木と双鳥を鋳出しています。後者には方形の素紐が付いています。
平安時代後期以降漆器の下地に漆の替わりに 柿渋(かきしぶ)(渋柿の実から採取した液)が利用されるようになって、 広く普及するようになりました。黒漆地に朱漆で身近な草花の文様が描かれています。
小皿
(博多遺跡群出土)竹葉・笹や水辺にたたずむ草文を描いています。
花器 ―花生(はないけ)の受容―
室町時代に入り、仏教の儀式である供花(くげ)から鑑賞を目的としたいけばながあらわれてきます。
|