No.302
美術・工芸展示室
平成19年7月18日(水)~9月2日(日)
展示資料のなかの「博多ことば」の例
あたき:私。男女ともにつかう一人称。
うんとこ:量の多いさまを表す語。たくさん。
えずい:恐ろしい。怖い。
えずう:非常に。甚だ。たいそう。まことに。
ぎったい:仮定条件・確定条件を表す。ならば。すると。
~くさ:文中で、文節の最後において、軽い強調の意を添えたり、相手の注意を促したりする。な。よ。
~げな:伝聞・推量の意を表す。だそうだ。らしい。ようだ。
~けん:接続の意を表す。故に。から。ので。
こく:言う。卑しんでいう語。
ござす:「ある」の丁寧語。
こざにっか:憎たらしい。
~ごたる:例を引いて同類であることを表す。また、内容を指示する。
~ごと:他のものにたとえ、比べる意を表す。ように。見受けられる様子を表す。
~しゃる:動詞に付いて、その動作をする人に対する尊敬の意を表す。動詞との間に促音が加わることがある。
じょうもん:美しい女。美女。
そうよ・そうよう:すべて。全部。皆。
たいごう:だいたい。そもそも。
たまがる:たまげる。
ちゃっちゃくちゃら:むちゃくちゃ。めちゃくちゃ。
ていしょう:ていたらく。
とつけむない:途方もない。とんでもない。思いもよらない。意外である。
とつけもない:程度がはなはだしい。大変である。副詞的に用いることもある。たいそう。非常に。
~ない:命令の意を表す。~なさい。
ぬべる:熱い湯や濃い汁などに水を入れて、よい加減にする。うめる。薄める。
~ばい:文末にあって、感情を添えたり、軽く念をおすような詠嘆を表す。よ。だぞ。ですよ。
ふてえがってえ:驚いた様子を表す語。
へげん:理非が分からない。分別がない。ものごとが思わしくいかない。つまらない。
ほんなこと・ほんなことい:本当に。まことに。
よい:人に呼びかける語。おい。もし。
~よる:動作の進行・継続を表す。~している。
展 示 資 料 | |||
名称 | 時代 | 発行者 | 品質・形状 |
赤間関逓信管理区内郵便線路図 | 明治22年 | 作者不詳 | 印刷 |
雑誌『風俗画報』57号 | 明治26年 | 東陽堂 | 印刷・書冊 |
雑誌『風俗画報』72号 | 明治27年 | 東陽堂 | 印刷・書冊 |
雑誌『ハガキ文学』創刊号 | 明治37年 | 日本葉書会 | 印刷・書冊 |
日露戦役記念絵はがき | 明治37~38年頃 | 逓信省 | 印刷・ハガキ |
「福岡言葉」絵はがき | 大正時代 | 発行者不詳 | 色刷・ハガキ |
「博多言葉」絵はがき | 大正時代 | 発行者不詳 | 色刷・ハガキ |
博多ことば絵はがき | 大正時代 | 大崎周水堂 | 二色刷・ハガキ |
「博多言葉」絵はがき | 大正時代 | 尾島筑紫堂 | 三色刷・ハガキ |
「博多ことば説明入 福岡と博多」 | 昭和前期 | 大崎周水堂 | 印刷・ハガキ |
「博多方言 福岡博多名所集」 | 昭和前期 | 大崎周水堂 | 印刷・ハガキ |
「方言葉書 筑前博多言葉」 | 昭和10年代 | 大崎周水堂 | 印刷・ハガキ |
「博多ことば絵葉書」 | 昭和16年 | 大崎周水堂 | 三色刷・ハガキ |
「博多仁和加」絵はがき | 大正時代 | 発行者不詳 | 二色刷・ハガキ |
「博多二○加」絵はがき | 昭和16年 | 発行者不詳 | 色刷・ハガキ |
「情緒溢るゝ博多節」 | 昭和前期 | 大崎周水堂 | 印刷・ハガキ |
「博多弁シリーズ」絵はがき | 平成19年 | 株式会社アポロ計画 | 色刷・ハガキ |
参 考 図 書 |
原田種夫『博多方言』(文林堂 昭和31年) |
波多江五兵衛『博多ことば』(博多を語る会 昭和45年) |
高橋久雄『博多弁雑考』(文献出版 昭和61年) |
江頭光『博多ことば』(葦書房 1998年) |
『知っとうや?』(イー・カルチャー 2003年) |
中村萬里『即訳!ふくおか方言集』(平成17年 西日本新聞社) |
細馬宏通『絵はがきの時代』(青土社 2006年) |
西日本新聞社『博学博多 ふくおか深発見』(西日本新聞社 2007年) |