平成25年12月10日(火)~平成26年2月9日(日)
6、数少ない女性の姿
浮世絵などを除いて、江戸時代の肖像画のほとんどは男性を描いたものです。その事実自体、この時代の女性の立場を暗に説明していますが、全く存在しないわけではありません。
13は桜井(さくらい)神社(糸島市)神官浦(うら)家の女性、14は福岡藩の家老三奈木黒田家の夫人、15は博多商人の柴藤増次(しばとうますつぐ)とその夫人を描いた肖像です。
肖像画13 智岳妙直善女像 (館蔵) |
肖像画14 喫煙御女像 (館蔵) |
肖像画15 柴藤増次夫妻像 (館蔵) |
おわりに~肖像画が残らない人~
肖像画を残すことが出来たのは武士や上層の町人や農民、僧侶、医者、学者など一部の限られた人々だけでした。大多数の庶民はその姿を後世に残すことなくこの世を去りました。多くの人の肖像が残るようになったのは遺影が普及する明治・大正以降のことです。(宮野弘樹)