展示・企画展示室2

No.451

企画展示室4

道具とくらし―箱―

平成27年4月28日(火)~6月14日(日)

はじめに
 私たちはふだん、箱を道具としてみることはあまりありません。しかし、箱は、収納や保存、運搬といった機能を持った立派な道具です。
 本展は、箱がくらしの中でどのように使われ、またどのような役割を果たしてきたのかを紹介するものです。

>(写真1) 大工道具
(写真1) 大工道具/td>
箱の原点
 箱の基本的な機能は、収納といえるでしょう。いくつもの品々をひとまとめにして、管理をし易くするものです。
 たとえば、(写真1)の道具箱は、ノコギリやカンナ、ノミなどの大工道具を収納するものです。現在はプラスチック製のものも増えてきましたが、かつては、木箱が一般的でした。大工などの職人は、自分の身体に合わせて道具を微妙に加工し、形や大きさを調整します。道具箱も自分の身体に合うようにつくられました。
 また、職人の世界では、道具が非常に大切にされています。それは、道具箱も例外ではありません。汚したり踏んだりしないよう、地面に直接置かないように気を配っていたともいいます。大工の腕の善し悪しは、そうした気づかいからも知ることができました。

(写真2) 米櫃
(写真2) 米櫃
大切なものを守る箱
 米を入れておく米櫃(こめびつ)(写真2)やお茶などの乾物(かんぶつ)を入れる箱、あるいは衣類を収める箪笥(たんす)などは、中の食品や衣類を湿気や虫などから守るために、箱の内面に金属を用いたり、割れや狂いが少なく、防湿、防虫に優れた桐(きり)のような素材が選ばれました。
(写真3) 箱、地取帳、念仏講帳
(写真3) 箱、地取帳、念仏講帳
 ほかにも、地域に伝わる記録類を汚れや破損、紛失から守る箱もあります。(写真3)は、西区下山門(しもやまと)の寛政(かんせい)8(1796)年から平成十六(2004)年まで二〇〇年余にわたる葬儀の記録です。念仏講(下山門では、葬儀の世話人組織や活動のことをさす言葉として使われています)が終わりを迎えたあとも、下山門の歴史を語るものとして大切に保管されていました。


(写真4) 徳利を入れる木箱
(写真4) 徳利を入れる木箱

物を運ぶために工夫された箱
 かつて酒屋の通い徳利 (貸出用の徳利)を入れた木箱(写真4)は、運びやすいように、取手が付けられています。同じように、花見や劇場など行楽の場面で用いられた弁当箱(割子(わりこ)や提重箱(さげじゅうばこ))は、数人分の弁当をまとめて運べるようコンパクトな造りになっており、上部には取手も付いています。それが、さらに大人数になると、より大きな箱に料理や道具を入れて運ぶこともありました。

(写真5) ちゃんぽんを持った人力車上の舞妓と幕出しの様子  祝部至善画「明治博多風俗図」
(写真5) ちゃんぽんを持った
人力車上の舞妓と幕出しの様子
  祝部至善画「明治博多風俗図」
 かつて博多では、筥崎宮放生会(はこざきぐうほうじょうや)の幕出(まくだ)しなど、行楽の際には、町内総出で出かけることもあり、町で什器類や幕などを入れるため共同所有していた長持が使われていました(写真5)。多くのものが入る長持は、大人数の料理や調理器具を運ぶための箱にもなっていたのです。

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pressrelease

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開館時間
9時30分〜17時30分
(入館は17時まで)
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休館日
毎週月曜日
(月曜が祝休日にあたる場合は翌平日)
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