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No.430

企画展示室1

戦争とわたしたちのくらし23

平成26年6月3日(火)~7月27日(日)

ポスター「海軍飛行兵徴募」
ポスター「海軍飛行兵徴募」

 昭和20(1945)年6月19日深夜から翌日未明にかけて、アメリカ軍の長距離爆撃機B-29の大編隊から投下された焼夷弾により、福岡市の中心部は焼け野原になりました。特に、博多部は甚大な被害をうけました。福岡市は、この日を「福岡大空襲の日」としています。福岡市博物館でも、平成3年から6月19日前後に企画展示「戦争とわたしたちのくらし」を開催し、戦時期におけるひとびとのくらしのあり方を、さまざまな観点から紹介してきました。
 23回目となる今回は、戦時期の子どもたちのくらしに関する資料を展示します。戦時期には、戦争遂行のため、年齢や学校の種類に応じて、子どもたちもいくつかの役割を担うことが期待されていました。戦争がはじまると、銃後(直接戦闘に参加しない国民)の一員として、学校・少年団などでさまざまな活動が行われます。また、戦時中の教育の変化や、戦局悪化に伴う措置は、子どもたちのくらしに大きな影響を与えました。
 戦時期の子どもたちのくらしにふれることで、当時の社会状況や今日の平和について考えていただける機会となれば幸いです。

子どもたちに求められた役割
 日中戦争の開戦から、日本は総力戦体制とよばれる、戦争の遂行を目的とする国家体制に移行します。この状況で子どもたちに期待された役割は、当時発行されたポスターから読み取ることができます。
 一つは、戦争を支援する体制に参加することです。昭和14(1939)年9月から、毎月1日は「興亜奉公日」と定められ、国旗掲揚、神社参拝、勤労奉仕などが励行されました。子どもたちは、物資の節約、質素なくらしを意識付けるため、日の丸弁当を持参することなどが求められました。戦争にかかる費用を賄うための貯金や、前線兵士への慰問といった役割も求められていました。
 もう一つは、戦争に直結する部門で働くことです。主として、中等学校以上の生徒に求められました。たとえば、工場で労働すること、少年兵として志願することです。少年兵については、軍艦の取り扱い、戦車や航空機の整備など、特別な技術が必要とされる職種は、年少者から訓練を積んだ方がよいという考えがありました。これらは、子どもたちから学ぶ時間を失わせるものでしたが、戦争の長期化と戦局の悪化に伴い、国策としてすすめられていくことになります。

写真「上魚町少年団」
写真「上魚町少年団」

「戦争の時代」の日常
 昭和12(1937)年7月、日中戦争がはじまりました。この戦争に国民を動員するため、政府は「国民精神総動員要綱」を閣議決定しました。国民精神総動員は、社会風潮の刷新、銃後の戦争支援体制の強化、戦時経済への協力、資源・物資の節約を訴え、官・民あげての運動として展開されます。これを、国民精神総動員運動といいます。
 国民精神総動員運動は、教育の場にも波及します。同年10月、運動を展開させるため、国民精神総動員強調週間が設定されると、福岡市内の小学校、中学校などでは、むだ遣いをしないことや廃品の利用についての指導が徹底されました。また、節約につとめる日、戦争勝利の祈願祭、前線兵士への慰問文の作成、神社参拝、清掃作業などの日時が設けられました。
 子どもたちの校外での活動をみていきましょう。「上魚町少年団記録」は、福岡市上魚町(現 博多区上呉服町)の少年団の活動記録です。これによると、少年団は昭和13年10月2日に結成されました。少年団の活動をおっていくと、結成式当日に団員に鉢巻きが配られます。同月4日に地域の防空演習に参加、同9日に第1回の町内廃物収集にあたりました。同23日には、平尾水源地に徒歩でハイキングに行き、大濠公園、西公園に立ち寄って電車で帰宅しています。
 昭和15(1940)年、少年団の活動は活発になります。そこには、神武天皇が即位したとされる年から数えて2600年にあたる「皇紀2600年」を記念する意味合いがありました。1月、少年団は出征軍人の家を除く各家庭に寄付金を募り、これを基に団帽と団服を作ります。2月からは櫛田神社(くしだじんじゃ)、東公園での武運長久の祈願祭や、陸軍墓地の参拝を行いました。5月19日に皇紀2600年を祝うため東公園を参拝した際の写真が残っていますが、全員が揃いの団帽・団服を着用し、日章旗の日の丸部分に福岡市の市章を配置した団旗を掲げています。このほか、町内で徴兵された人の帰還に際して出迎えを行うなどの活動も行いました。戦争が長期化するにつれて、少年団の活動も戦争に関連するものが多くなっていったのです。

休館日

開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(入館は午後5時まで)
休館日
毎週月曜日
※月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館
※年末年始の休館日は12月28日から1月4日まで
pressrelease

Facata(博物館だより)

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