平成16年3月30日(火)~6月27日(日)
Q4 金ピカ趣味?
4. 木造観音菩薩坐像 |
金ピカ趣味?いえいえ、とんでもない。仏像が金色に塗られるのには、れっきとした訳があるのです。
金は洋の東西を問わず、聖なる存在を示す色として、しばしば用いられてきました。しかし、仏像に限れば、全身が金色にあらわされる理由はそれだけではありません。
仏像とは本来、釈尊の姿を手本にして成立したものです。釈尊の体には普通の人にはない32の特徴があったといわれています。そのひとつが全身が金色に輝く「金色相(こんじきそう)」です。
この特徴が後に他の如来像や菩薩像にも広がり、このような全身金色の観音像ができたと考えられます。
Q5 3人で何してるの?
獅子に乗る文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と象に乗る普賢菩薩(ふげんぼさつ)。真ん中は釈迦如来(しゃかにょらい)。3人そろって何をしているの?
5. 木造釈迦三尊像 |
仏像があらわされる場合、例えば阿弥陀如来(あみだにょらい)は観音菩薩(かんのんぼさつ)と勢至菩薩(せいしぼさつ)、薬師如来(やくしにょらい)は日光菩薩(にっこうぼさつ)と月光菩薩(がっこうぼさつ)というように、本尊の左右に決まった脇侍菩薩(きょうじぼさつ)を伴うことがあります。これを三尊像(さんそんぞう)と呼んでいます。
三尊像は、如来がそれぞれの浄土(じょうど)で弟子たちを前に説法をおこなっている状景を、最も簡単に表現したものです。この釈迦三尊像も、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)が、多くの弟子の代表として釈尊の話を聞いている状景をあらわしています。
Q6 仏像?それとも神像?
6.木造荼吉尼天騎狐像 |
狐(きつね)といえばお稲荷(いなり)様。でも頭に鳥居(とりい)を付け、白い狐に乗ったこの像は仏像?それとも神像?
「仏像」とは如来(にょらい)(悟(さと)りを開いた人)、またはその他の仏教の仏(ほとけ)たちをあらわした彫刻や画像のことです。ところが、本来はインドから来た仏教の仏であっても、中には日本の神に似た姿のものがあります。
荼吉尼天 (ダーキニー) |
荼吉尼天(だきにてん)もそのひとつで、インドではダーキニーという、人間の心臓を食べる恐しい鬼神でした。ところが日本では、いつしか農耕の神である稲荷神(いなりしん)と混同され、このような姿になったようです。国や地域が変われば、仏像の姿も変化します。