平成16年3月30日(火)~6月27日(日)
Q7 神と仏をつなぐ。
何でもデカけりゃ良い訳(わけ)ではありません。これでも小さいなりに大切な役割を担(にな)っていたのです。
7.銅製懸仏 |
奈良の大仏は高さ約15メートル。この仏像は3・9センチ。でも小さいからといって甘く見てはいけません。よく観察すると、体は浮彫りのように前半分だけで、後ろには穴のあいた出っ張りもあります。
これは「懸仏(かけぼとけ)」と呼ばれる特殊な仏像です。江戸時代以前、日本の神はインドの仏と本来は同じだという考え方がありました。
そのため多くの神社では、神を象徴する円い鏡に仏像を取り付けて神殿に懸(か)けていました。つまり、懸仏は神の本来の姿を示した仏像なのです。
Q8 金?それとも・・・。
8.銅造如来立像 |
この仏像は表面が金色に輝いています。いったいどんな素材で出来ているのでしょう。
仏像を作るためには、様々な素材が用いられます。日本では木が最も多く、ほかに石や土・乾漆(かんしつ)(漆(うるし)と麻布を塗り固めたもの)、さらに銅や鉄といった金属類も用いられました。
この仏像は朝鮮半島で新羅(しらぎ)時代(7~10世紀)に作られた如来像です。作り方は、まず仏像の鋳型(いがた)に溶けた銅を流し込みます。そして、固まったら鋳型から取りだして表面に金メッキを施します。
このようにしてできた仏像を「金銅仏(こんどうぶつ)」と呼び、日本でも飛鳥(あすか)時代(6~7世紀)の仏像に多くみられます。
Q9 ボディ・ランゲージ?
仏像の姿には意味があります。そういえばこの仏像、何かに話しかけているようにみえませんか。
9.銅造菩薩坐像 |
仏像とは本来、釈尊の姿をあらわしたものです。実際、インドで最初に作られた仏像は、釈尊が弟子に説法している姿や、坐禅をしている姿などが多く、具体的な情景をあらわしたものがほとんどでした。
この菩薩像は朝鮮半島で高麗(こうらい)時代(10~14世紀)に作られたもので、右手と左手でポーズをとり、親指と中指を結ぶ手の形印相(いんぞう)は説法をする姿をあらわしています。
地域や時代が変わっても仏像にはインドの釈尊のイメージが受け継がれているのです。