平成16年9月14日(火)~11月14日(日)
三 鉄砲伝来
キリスト教とともに日本に大きな影響を与えたのは、鉄砲(てっぽう)の伝来です。近年の研究で通説より1年早い天文11年(1542)に種子島(たねがしま)に伝来したことが指摘されていますが、大友宗麟は天文23年以前に将軍足利義輝(あしかがよしてる)へ南蛮(なんばん)鉄砲を献上し、博多周辺では永禄6年(1563)には実戦で使用されたことが知られます。永禄12年、毛利軍に奪われた立花(たちばな)城(現福岡市東区ほか)を奪回するため、城に押し寄せた大友軍の兵士が数多く銃弾に倒れています(図3)。
図3 立花城を攻撃時、鉄砲により負傷した兵士の名前を書き上げたリスト(史料16) |
四 東西文化の融合
西洋と日本の直接的な交流は、新たな文化を創造しました。新しい文物・宗教・学問・技術等・風俗等は、その後の日本文化に少なからず影響を与えました。南蛮兜(図6)・南蛮漆器等の異国趣味の作品を生み出しました。
本展覧会では、キリシタン史料・洋地図・古文書等を通して、戦国期から近世初頭に博多やその周辺にもたらされた西洋文化の一端を紹介します。
(堀本一繁)
図4 大友宗麟の「非」朱印 (左:史料5 右:史料4) |
図5 黒田如水の ローマ字印 (史料11) |
図6 黒田長政の南蛮兜 (史料18) |