平成21年2月24日(火)~平成21年4月19日(日)
三、様々なおうち
(1)武家屋敷(桐山(きりやま)家の場合)図1
桐山家は黒田二十四騎(くろだにじゅうよんき)の1人桐山丹斎(あきとき)を祖とする上級家臣です。屋敷は練り塀(ねりべい)や板塀(いたべい)で囲まれ、表門(おもてもん)をくぐると正面に四畳半の玄関があります。玄関の左には表座敷、右側には台所、そして、台所の奧には茶室が見えます。これらの場所で客人を迎えたのでしょう。また、屋敷の裏手には池を備えた庭があり、ここを囲んで住人の生活空間が広がっていました。ちなみに、トイレは小便所(△)が3ヶ所、大便所(□)が4ヶ所あります。この図が珍しいのは庭の利用状況や植生が詳しく書き込まれている点です。庭木は食用となる果樹は当然のこととして、薬用となる植物や、正月飾りや神棚に供える樹木も確認できます。畑の存在も興味深いのですが、表からなるべく見えないように囲いで隔ててあり、体面を重んじる武士らしい配慮が窺えます。
図1 17、桐山家屋敷図(トレース) |