平成21年11月17日(火)~平成21年12月27日(日)
2 筥崎宮楼門(『福岡図巻』) |
3 福岡城本丸武具櫓 |
4 三代目の福岡市庁舎 |
【3】近世
筥崎宮楼門 (安土・桃山時代~)
文禄3年(1594)、筑前領主の小早川隆景(こばやかわたけかげ)によって再建された筥崎宮の楼門(東区箱崎、「伏敵門」とも呼ばれる。重要文化財、写真2)は、高さが16mあります。楼門は、鳥居や本殿などよりも高く、筥崎宮では一番高い建物です。箱崎浜にそびえ立つ高い楼門は、筥崎宮の神威をあらわすものになっていたのでしょう。
福岡城本丸武具櫓 (江戸時代)
福岡城(中央区城内)の天守閣の有無は議論のあるところですが、本丸の武具櫓(ぶぐやぐら)(写真3)の両端は三層になっており、高さは13mと推定されます。大正8年(1919)、浜町(はまのまち)の黒田家別邸に移築され、昭和20年の空襲によって焼失しましたが、福岡城では一番高い建物であったようです。高い武具櫓は、広大な城内とともに大名権力の強大さを誇示していたのでしょう。
【4】近・現代
福岡県庁舎 (明治~)
明治9年(1876)に天神(水鏡天満宮の南側、現アクロス福岡の位置)に建てられた木造の三代目庁舎に替わり、大正4年1915)に同地に完成し、「白亜造りの九州に稀な最新式建築」と称された四代目の高さは24.4mでした。そして、昭和56年(1981)に博多区東公園に完成した五代目現庁舎の高さは48.2m、地上11階・塔屋(とうや)1階・地下3階の鉄筋コンクリート構造で、設計は黒川紀章(くろかわきしょう)です。
福岡市庁舎 (明治~)
大正12年(1923) 、因幡町 (現中央区天神一丁目)に建設された三代目市庁舎(写真4)の高さは25mでした。当時の新聞には、「市内の建築物中に於て他に比類なく、威容四辺を圧す」「福岡県庁舎や県商品陳列所の如きは余程低い」と書かれていました。そして、昭和63年(1988)に完成した四代目の現庁舎の高さは64.5m、地上15階・地下1階、鉄骨鉄筋コンクリート構造で、設計は菊竹清訓(きくたけきよのり)です。
博多ポートタワー (1964年~)
東京タワーや大阪の通天閣(二代目)など、数多くのタワーを設計した内藤多仲(ないとうたちゅう)によって、昭和39年(1964)に建てられた博多ポートタワー(中央区築港本町)は、高さ100mです。当初は、「博多パラダイス」というレジャーランドの目玉施設である観光塔として造られ、市民に親しまれました。
福岡タワー (1989年~)
平成元年(1989)に「アジア太平洋博覧会-福岡’89」(よかトピア)にあわせて、早良区百道浜(さわらくももちはま)に建設された正三角柱、ハーフミラー貼りの福岡タワーの高さは234mです。このタワーは、日本で一番高い海浜タワーであり、テレビ電波を発信する電波塔の役割も果たしています。地上123mの展望室から市内を眺望できる、360度の視界はとても爽快です。
(林 文理)