平成26年12月9日(火)~平成27年2月22日(日)
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古墳時代から古代に時代が移り変わると簡略化した葬法を是とした「大化の薄葬令(はくそうれい)」が発布されるなど葬法にも政治的・宗教的な影響が反映されてきます。また薄葬の影響を受けて「火葬」が採用されたことから、発掘調査で古代に属する人骨資料の検出例はあまり多くありません。蔵骨器に納められた火葬骨は、それまでの埋葬より場所を必要としませんが、骨が被熱して粉々になっているため取得できる情報は限られてしまいます。ただし、このような「火葬」を取り入れたのは官人層などの一部で、多くの人々は土坑墓・木棺墓に葬られるか、埋葬を伴わない遺棄葬(いきそう)となったようです。古代律令期には大きな都市が形成されて、人口の集中も発生したはずですが、これらの人々はどこに葬られたのでしょうか。福岡市内では土坑墓や木棺墓などが散見される程度しか発見されていません。